三大疾病保障保険(さんだいしっぺいほしょうほけん)は三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)になり保険会社所定の状態になれば生前に保険金が受け取れます。更に三大疾病にならなくても高度障害状態時には高度障害保険金、死亡時には死亡保険金が出る保険です。
三大疾病になれば、死亡しなくても保険金を受け取れ、死亡しても遺族が保険金を受け取れる、これだけ聞くと素晴らしい保険に聞こえますが、詳しい保障内容をよくご理解されていない方も多いと思います。
今回は、三大疾病保障保険を検討する際に知っておいて頂きたいポイントについてまとめてみました。特に「急性心筋梗塞」「脳卒中」に関しては、保険金の支払条件が厳しい点をご理解頂きたいと思います。
三大疾病保障保険はどのような場合に保険金が受け取れ、どのような場合に保険金を受け取ることができないのかを解説します。
1.保障対象となる三大疾病とは?
三大疾病とは「がん」、「急性心筋梗塞」、「脳卒中」ですが、三大疾病保障保険では具体的にどのような病気が保障対象になるか細かく把握されている方は少ないでしょう。
三大疾病保障保険で一般的に保障対象となる三大疾病とは、以下の通りです。
上皮内がん、皮膚がん(悪性黒色腫を除く)以外の悪性新生物
【急性心筋梗塞】
虚血性心疾患のうち、急性心筋梗塞(狭心症等は除く)
【脳卒中】
脳血管疾患のうち、くも膜下出血、脳内出血、脳動脈の狭塞(脳血栓・脳梗塞)
がんでも保障対象になる場合とならない場合があったり、狭心症が保障対象外であったりする点に注意が必要です。
2.保障対象となる状態とは?
三大疾病になると必ず保険金が受け取れると勘違いされている方がいますが、実はそうではありません。
「がん」以外については、三大疾病になり、かつ一定の状態にならないと保険金は受け取れません。
『保険料払込免除特約を付加する場合に確認すべきポイント』でご紹介した保険料払込免除の条件と同じように保険金を受けとるには三大疾病になり、かつ一定の状態になる必要があります。
※保険会社によっては、保険金の支払条件が下記条件とは異なる場合がありますので、ご注意ください。
1)がん
がんは診断されれば必ず保険金が受け取れるわけではありません。上皮内新生物、皮膚がん(悪性黒色腫)の場合は保障対象外です。
2)脳卒中(くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞)
脳卒中を発病したら必ず保障対象になるわけではありません。
医師の診療を受けた日から60日以上言語障害・運動失調・麻痺などの他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師によって診断されたときという条件があります。
脳卒中の治療のための手術を受けたことや入院を保険金の支払条件としている商品もあります。
3)急性心筋梗塞
急性心筋梗塞も発病し、医師の診療を受けた日から60日以上労働の制限を必要とする状態(軽い家事などは除く)が継続したと医師によって診断されたときという条件で保障対象になります。
急性心筋梗塞の治療のための手術を受けたことや入院を保険金の支払条件としている商品もあります。
三大疾病保障保険の保険金支払条件については、下記記事もご参照ください。
『三大疾病保障保険の保険金支払要件が異なる商品』
3.保険料例
三大疾病保障保険は定期保険に比べて保障範囲が広い分、保険料は高くなります。保険料は定期保険に比べてどの程度、高くなるのかを確認してみたいと思います。
【試算条件】
被保険者:男性
年齢:30歳
保険期間:60歳
払込期間:60歳
保険金額:1,000万円
■特定疾病保障保険
月額保険料:8,200円
■定期保険
月額保険料:3,880円
保険料は三大疾病保障保険の方が定期保険に比べて倍以上も高くなります。
まとめ
三大疾病保障保険は上記の通り、生前給付がある分、保険料が高くなります。その反面、生前給付には条件があり、三大疾病になったからといって、無条件で保険金を受け取れるわけではありません。
保障対象となる条件が厳しい急性心筋梗塞、脳卒中の保障をあきらめて、がんだけに保障を絞り、がん保険に加入するというのも1つの方法だと思います。
がんは、悪性新生物であれば、診断を受けることが給付の条件になっています。そして、がんは日本人の死因第1位ですし、今や2人に1人ががんになる時代だと言われいます。
ちなみに、三大疾病は日本人の三大死因でしたが、平成23年からは死因順位では肺炎が死因第3位になり、脳血管疾患は4位になりました。
平成25年の死因順位別死亡数(推計数)は下記の通りです。
1位 | 悪性新生物 | 365,000人 |
2位 | 心疾患 | 197,000人 |
3位 | 肺炎 | 124,000人 |
4位 | 脳血管疾患 | 119,000人 |
色々な保障を考え始めると、保険料がどうしても高くなります。保障を絞り、本当にリスクに感じている部分に保険をかけるという考え方を持つことも重要でしょう。
プロ(FP)に相談するのも1つの方法です。下記ページからFP(ファイナンシャル・プランナー)に無料で相談が可能です。
『生命保険無料相談』
最終更新日:2017年12月21日
No.129