原付(原動機付自転車)を盗難された経験がある方は多いのではないでしょうか。また、自転車も盗難されることが多いと思います。
しかし、原付や自転車の盗難に対しての保険に加入されている方は少ないのではないでしょうか。実は、原付や自転車の盗難に備えて保険に加入していなくても、家財を対象にした火災保険で補償される可能性があります。
今回は、原付や自転車を盗難を補償する保険のご紹介と、家財保険(火災保険)で原付や自転車の盗難が補償されるケースをご紹介します。
盗難されやすい原付や自転車をお持ちの方は参考にして頂ければと思います。
1.自転車の盗難保険
自転車の盗難保険には下記のような商品があります。
『ちゃりぽ』
自転車を購入してから1ヶ月以内であれば加入できる『ちゃりぽ』という商品があります。ジャパン少額短期保険株式会社が販売している自転車の盗難を補償する商品で、3万円の自転車で1年プランの保険料が2,100円、2年プランの保険料が4,200円です。
5,000円から50万円までの間で補償額を選択できます。
ところで、ジャパン少額短期保険株式会社の『少額短期保険』とは何かと気になった方もいらっしゃると思いますので、簡単にご説明します。
「少額短期保険業」とは、保険期間が2年以内(生命保険・医療保険は1年、損害保険は2年)、保険金額が1,000万円以内の短期・少額の保険のみを引き受ける事業です。「ミニ保険」とも呼ばれています。
以前は、根拠法と監督官庁のない共済が乱立し、「無認可共済」と呼ばれていました。しかし、契約者保護を図ることを目的として、2006年(平成18年)4月に改正保険業法が施行され、「少額短期保険業制度」が導入されました。
詳細については、下記記事をご参照ください。
『保険、共済、少額短期保険は何が違う?』
2.自転車保険では自転車の盗難は補償されない!?
自転車事故による高額賠償事例で自転車保険が話題になっていますが、自転車保険では自転車の盗難は補償されません。
自転車保険とは、個人賠償責任保険と傷害保険がセットになった商品です。
「個人賠償責任保険」は、他人にケガさせたり、他人のモノを壊してしまった場合の損害賠償責任を補償する商品です。一方、「傷害保険」は、自分のケガを補償する商品です。
よって、自転車保険に加入していても自転車の盗難は補償されませんので、ご注意ください。
自転車保険の補償内容などの詳細については、下記記事をご参照ください。
『自転車保険とは?補償内容などを徹底解説(保存版)』
『自転車保険を比較(おすすめの自転車保険とは?)』
3.原付の盗難保険
原付(総排気量125cc以下)の盗難保険には下記のような商品があります。
最大300万円まで補償の盗難保険です。原付の場合は、下記のようなプランが例としてサイトで紹介されています。
プラン:盗難15
盗難保険金額:15万円
自己負担額:5%
年会費:6,900円
レッドバロンがバイクの購入者向けに販売している盗難保険です。
保険金額:店頭販売価格の100%、それ以外の場合は査定販売価格の90%
自己負担額:なし
保険料:保険金額の1%
保険期間:1年間
原付の価格が15万円の場合は、保険料は年間1,500円ということになります。
バイク保険の車両保険でバイクの盗難が補償されないのかと思われる方もいると思いますが、原則、バイク保険ではバイクの盗難は補償されません。自動車保険にセットできるファミリーバイク特約にも盗難の補償はありません。
そもそも、原付に乗っている方で車両保険に加入している方は、ほとんどいらっしゃらないとは思いますが・・・。
また、『バイクの盗難はバイク保険では補償されない!?』でバイクの盗難も補償される日新火災の「おとなのためのバイク保険(盗難補償付)」をご紹介しましたが、契約対象となるバイクは総排気量が125cc超のバイクですので、総排気量が125cc以下の原付は加入することができません。
4.原付、自転車の盗難は家財保険(火災保険)でも補償される!?
上記のような原付や自転車の盗難に対する保険に加入されている方は少ないのではないでしょうか。しかし、家財(テレビや冷蔵庫、衣服など)の火災保険に加入されている方は多いと思います。
実は原付(総排気量125cc以下)や自転車の盗難は家財の火災保険で補償される場合があります。
『火災保険を契約する際に押さえておくべき8つのポイント』
『家財の火災保険について知っておきたい6つのポイント』
火災保険で補償されるといってもどんな場合でもOKというわけではありません。例えば、損保ジャパン日本興亜の個人用火災保険では、家財を対象とした火災保険契約で原付(総排気量125cc以下)や自転車の盗難が補償されます。
但し、原付(総排気量125cc以下)や自転車を自宅敷地内の駐輪場に置いていた場合に限ります。敷地内の駐輪場以外の場所に置いていた場合は、状況によっては補償することがあるようですが、基本的には補償対象外と思った方が良いでしょう。
なお、家族の1人が契約者(被保険者)である火災保険で、同居の家族全員の自転車が補償対象となります。例えば、父親が契約者(被保険者)である火災保険で、同居の子供の自転車盗難も補償されます。
また、賃貸マンションや賃貸アパートに住んでいて家財を対象とした火災保険(家財保険)に加入している場合にも、自転車の盗難は補償されます。
5.火災保険の「持ち出し家財特約」で自転車や原付の盗難は補償される?
「持ち出し家財特約」や「携行品特約」など、特約名は保険会社によって異なりますが、持ち出した家財を補償する特約があります。
例えば、ビデオカメラを外出先で落として壊してしまった場合等に補償される特約です。
この特約で外出先での自転車や原付の盗難も補償されるのではないかと思われる方もいると思いますが、実はこの特約は自転車や原付は補償の対象外となっています。よって、残念ながら、この特約を付帯しても外出時の自転車や原付の盗難は補償されません。
携行品特約についての詳細は下記記事をご参照ください。
『火災保険に携行品特約を付けるメリットは?』
まとめ
自転車やバイク(125cc以下の原付)を盗られた方は、盗難に遭った場所とご加入の火災保険をご確認下さい。契約内容によっては、自宅敷地内での盗難が補償の対象になる可能性があります。
なお、自転車保険では自転車の盗難は補償されません。自転車の盗難が心配であれば、自転車の盗難保険に加入する必要があります。
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最終更新日:2018年9月21日
No.64