日本人はランキング好きなので、ランキングサイトを参考に商品を購入する方も多いでしょう。モノを買うときには何かしらの基準がある方が助かるので、ランキングも1つの参考材料になることは間違いありません。
自動車保険にも事故対応や口コミなどの各種ランキングがありますが、保険選びにランキングを利用しても問題はないのでしょうか?
自動車保険のランキングも保険選びの1つの参考材料にはなりますが、ランキングを参考にする際には、注意すべき点がいくつかあります。
今回の記事では、自動車保険の各種ランキングの問題点について解説します。今回の記事を読めばランキングを参考にする際に注意すべき点を理解していただけると思います。
1.自動車保険のランキングは参考にすべきか?
自動車保険のランキングを参考にする際に一番気を付ける点は、ランキングに全幅の信頼を置いてはいけないということです。
「本当にそのランキングは信用できるものですか?」と聞かれて、自信を持って「はい」と答えられる人はいないでしょう。
ランキングの根拠をしっかり確認しないと、騙されてしまう可能性があります。ランキングを出す会社の都合で順位が操作されているかもしれません。
自動車保険のランキングには、事故対応や口コミ、契約シェア、年代別などの各種切り口がありますが、それぞれの切り口について注意すべき点について解説します。
・事故対応ランキング
事故対応の満足度は、事故担当者の質に大きく左右されます。事故の際などは、特に言葉遣い1つでも不愉快に感じてしまうものです。担当者の質を均一化することは非常に難しいと思います。
事故対応の担当者は、その時々でランダムで誰に当たるか分かりません。同じ保険会社の中でも対応の良い担当者もいれば、対応の悪い担当者もいます。沢山いる社員の中で対応に差が発生しても不思議ではないでしょう。私の個人的な経験でも、同じ保険会社でも担当者によって対応に差があった事例はいくつもあります。
たまたま対応の良い担当者に当たった方がランキングのデータに入っていた場合には、その保険会社のランキングが上がるでしょうし、その逆にたまたま対応が悪い担当者に当たった方のデータが入った場合には、ランキングが下がるでしょう。
事故対応を受けた全員のデータが入っているわけではないので、ランキングにブレが生じてしまう可能性があります。
事故対応については、ランキングを見るのもいいですが、契約者の声を見る方が参考になると思います。契約者の声をネット上に掲載している保険会社があります。
特にソニー損保などは、契約者の満足だけでなく、不満の声についてもネット上に公開しています。事故やロードサービスに絞って契約者の声を確認することもできます。
お客様の満足・不満の声(ソニー損保)
特に他の方が、どのようなことに不満を感じているかがわかる点が参考になると思います。
『自動車保険はどこがいい?|選び方や比較のコツ』
・保険料の安さランキング
保険料の安さは契約の条件によって変わります。自動車保険の保険料を計算する要素(条件)は年齢条件や契約する車の種類、走行距離など沢山あります。
どんな条件でも必ず1つの保険会社が安いということはありません。
『自動車保険の保険料相場ってどうやって調べるの?』
よって、ある特定の条件で出された保険料の安さランキングは参考にはなりません。ご自身の条件で見積もりをしてみないと、本当に保険料が安い自動車保険は見付かりません。
保険料の安さで保険会社を選ぶのであれば、無料で利用できる一括見積もり比較サイトを利用して、複数社の自動車保険を比較するのが一番簡単な方法です。
無料の自動車保険一括見積もりサイトの活用術と、おすすめサイトを下記記事で解説しています。複数社の自動車保険を比較する際に参考にしていただければと思います。
『自動車保険一括見積もりサイト活用術|2つのおすすめサイトとは?』
・口コミランキング
ネットの口コミサイトのランキングだと、調査対象がネットを使う人に偏るという問題点があります。ネットを使わない人の満足度は全く分かりません。
ネットを使う人が多いから、ダイレクト型自動車保険がランキング上位に偏るのは当たり前です。ネットの顧客満足度ランキング、口コミランキングは、ネットを使わない大部分の方のデータが反映されていないことになります。
・顧客満足度ランキング
顧客満足度ランキングの根拠は何でしょうか?
満足度の根拠が不明だとランキングの信頼性が下がります。満足度とは非常にあいまいなランキングで、調査対象者の主観が入り過ぎると思います。
同じ対応を受けてもそれを満足と感じる方と、不満と感じる方に分かれます。例えば、手厚い対応を満足と感じる人と、ウザいと感じる方とで分かれます。
・年代別ランキング
自動車保険の保険料は、年齢だけで決まるわけではありません。
また、同じ年代でも自動車保険に求めている内容は異なる場合があります。ある方は保険料であったり、ある方は代理店型のように決まった担当者を求める場合があります。
よって、年代別でランキングする意味合いは非常に低いと思います。
同じ年代の全ての方が全く同じことを自動車保険に求めているのであれば、年代別ランキングに意味はあると思いますが、そうではないので、年代別ランキングはあまり参考になるデータではないでしょう。
・おすすめ人気ランキング
契約数の多い自動車保険を人気があるとして、おすすめ人気ランキングとしているサイトがありますが、ランキングサイトのみの契約数で判断するには、母数が少なすぎるという根本的な問題があります。
また、ランキング1位の保険会社をランキングサイトが押している可能性があります。
ランキングサイトが押していることで売れている。売れている理由は、安いわけでもなく、事故対応がいいわけでもなく、ただただ、そのサイトでおすすめとなっているからかも知れません。
サイト内で一番目立つ場所にバナーがある。一番目立つ場所で宣伝されている。単にその保険会社が一番広告料を支払っているというだけかもしれません。
また、契約件数が多いことがイコールいい保険ということにはなりません。一般的な商品と同じで、品質のいいモノが一番売れるとは限りません。品質が良く見えるモノが一番売れます。
つまり、一番契約数が多い自動車保険は、品質がいいわけではなく、宣伝がうまかっただけという可能性もあります。
2.信頼できる自動車保険のランキングとは?
では、信頼できる自動車保険のランキングはないのでしょうか?全ての自動車保険ランキングが信頼できないというわけではありません。しかし、信頼できるランキングかどうかを見極めることが必要でしょう。
・ランキングの根拠が明確か?
まず、ランキングの根拠が明確に説明されているサイトであることが信頼の条件です。ランキングの根拠が全く書かれていないサイトも散見されます。
また、根拠は書いてあっても、あいまいなサイトもあります。
・調査対象者数は多いか?
調査対象者数、つまりデータの母数の多さも重要です。どれだけの対象人数に対して調査したランキングなのか。調査対象の母数が少なすぎると、ランキング結果に偏りが出るのは当たり前です。
規模が小さいサイトのランキングは信頼できるものが少ないことは間違いないでしょう。
・ランキングの対象項目は?
どのような項目に対してのランキングなのかも重要です。契約数、保険料、事故対応、顧客満足度など。
ランキングを参考にされる方が何を大事にしているのか?ご自身が重要だと思う項目でのランキングを参考にする必要があります。
まとめ
日本人はランキング好きです。それゆえにランキングに騙される可能性が高い。ランキングを出す会社の都合のいいように順位が操作されていることもあります。
ランキングは参考程度にする方が間違いありません。本当にそのランキングが正しいかは、誰にもわかりません。ランキングが操作されている可能性はゼロではありません。
今回の記事を読めば、ランキングを完全に信じるとどのような問題があるかをご理解頂けると思います。
ランキングも1つの参考材料であることは間違いありませんが、ランキングのみで自動車保険を決めるようなことのないようにして頂ければと思います。
事故対応などの満足度、口コミなどはどうしても回答者の主観が入ってしまいます。同じ対応をされても満足と感じる人もいれば、不満と感じる人もいるでしょう。多くのランキングには、調査対象者の主観が多く入っていることを前提として見る必要があります。
結局、客観的に順位を付けられるのは、保険料の安さくらいしかないと思います。保険料の比較をするのであれば、無料で利用できる自動車保険の一括見積もり比較サイトをご利用ください。
『自動車保険一括見積もり比較(無料)』
No.359