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保険金・給付金の請求権に時効や期限はあるのか?

「生命保険の保険金請求に時効はあるのか?」や「医療保険の給付金はいつまでに請求すればいいのか?」というご質問をよく頂きます。

生命保険の保険金や医療保険の給付金の請求権に時効や期限はあるのでしょうか?何年経ったら保険金や給付金は請求できなくなるのでしょうか?

今回は、保険金・給付金請求の下記ポイントについて解説します。

  • 保険金や給付金の請求に時効や期限はあるのか?
  • 保険金・給付金などの請求漏れに気付いた時の対処法
  • 保険金や給付金の請求を忘れないための方法


1.保険金請求権の時効は3年

生命保険や損害保険の保険金や給付金の請求権は3年間で時効となり、消滅します。保険法95条に保険金を請求する権利は3年間で時効によって消滅するとなっています。

保険法 第95条(消滅時効)
保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第63条又は第92条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、3年間行わないときは、時効によって消滅する。【強行規定】

一般的に、保険事故から相当の時間が経過すると事故の調査などが困難となり、適正・迅速な保険金支払いができなくなる可能性あります。

そのため、保険会社の保険金支払義務は、3年を経過すると、時効によって消滅するとされています。

なお、保険金と給付金の違いは下記の通りです。
保険金とは?給付金とは?|保険金と給付金の違い

保険金とは?

保険金とは、被保険者(保障の対象者)が死亡・高度障害状態のとき、または満期まで生存したときなどに生命保険会社から支払われるお金のことです。

死亡保険金、高度障害保険金、満期保険金などがあります。

給付金とは?

給付金とは、被保険者(保障の対象者)が入院したときや手術をしたときなどに、生命保険会社から支払われるお金のことです。

入院給付金、通院給付金、手術給付金などがあります。

 

 

 

2.自賠責保険の請求権の時効も3年

自賠責保険についても、加害者請求、被害者請求ともに3年で時効となります。

加害者請求の場合は、保険法第95条の規定が適用され、保険金の請求は加害者が被害者に損害賠償金を支払った日から3年で時効となります。

被害者請求の場合は、自動車損害賠償保障法第19条の規定が適用され、損害賠償額の請求は事故の発生日から3年(ただし、死亡の場合は死亡日から3年、後遺障害の場合は症状固定日から3年)で時効となります。

自動車損害賠償保障法 第19条(時効)
第16条第1項(被害者請求)及び第17条第1項(被害者に対する仮渡金)の規定による請求権は、3年を経過したときは、時効によって消滅する。

自賠責保険についての詳細は下記記事をご参照ください。
自賠責保険とは?|請求方法・保険料・補償内容などを解説
自賠責保険に加入していないと発生する4つの問題点
ひき逃げや無保険車の事故は保障される?

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3.保険金・給付金の請求を忘れていた場合の対処法

保険金・給付金等の請求を忘れていて、3年が経過していたとしても諦めずに保険会社に問い合わせをしてみてください。

生命保険会社のHPには、時効は3年という記載はありますが、3年を経過した際には問合せ窓口に連絡してくださいという注意書きがあります。
オリックス生命 よくある質問

保険金や入院給付金等の請求を忘れ、何年経過していても診断者などの書類さえ調えば保険金・給付金を支払う保険会社もあります。

私も実際に保険金・給付金の請求を忘れて3年以上経過した方の請求手続きのお手伝いし、保険会社が保険金・給付金を支払った経験が何度もあります。

保険金や給付金の請求を忘れて3年以上経過していても、まずは、保険会社に問い合わせてみてください。

 

 

 

4.保険金や給付金の請求を忘れないための方法とは?

保険金や給付金は、受取人が請求しないと受け取ることはできません。特に死亡保険金については、契約者と被保険者(保障の対象者)が同一人である場合、受取人が契約の存在自体を知らない可能性もあります。

死亡保険金の受取人となる方が、生命保険契約の存在に気付いていなければ、保険金を請求することはできません。

よって、生命保険などの契約一覧を作成し、保険金の受取人や医療保険、がん保険などの指定代理請求人の方には、どのような契約に加入しているかを伝えておくことが重要となります。
指定代理請求人とは?指定するデメリットはない?

エンディングノートには、保険契約一覧が必ずありますので、エンディングノートなどを利用して、家族に生命保険などの契約の存在を認識してもらうといいでしょう。

エンディングノートは、終活をしているような高齢の方だけに必要なものではありません。若い方でもエンディングノートを記入しておいた方がいいことは間違いありません。

若い方が亡くなる可能性は、高齢の方よりも低いですが、若くても事故などで亡くなる可能性はゼロではありません。また、事故で意識が戻らなくなることもあります。意識がない状態が短期間であってもその期間に色々と問題が発生する可能性があります。

エンディングノートについては、有料のものを買わなくても、ネット上などにある無料のものを活用しても問題ありません。
エンディングノートとは?|おすすめの選び方・書き方
「遺書」、「遺言書」、「エンディングノート」の違いとは?

 

 

 

まとめ

わざわざ保険金や給付金の請求を遅らす方はいないと思いますが、請求を失念することもあると思いますので、保険金や給付金の請求は速やかに行うことをお勧めします。
保険金・給付金の請求手続きの流れやタイミング

また、時効の3年を過ぎていても保険金・給付金が支払われる可能性はゼロではありません。保険金や給付金等の請求忘れがあったとしても、時効だとご自身で判断することなく、保険会社に問い合わせてみてください。

なお、そもそも保険金や給付金の請求を忘れないためにエンディングノートなどを活用し、ご自身が加入している生命保険や医療保険などの契約一覧を家族と共有しておくことが重要です。

最終更新日:2019年5月19日
No.97