事故等で車を修理する場合、代車が必要になることがあります。特に通勤や通学で日常的に車を使用している方にとっては、代車がないと困ってしまうでしょう。
修理時に代車を無料で貸してくれるディーラーや修理工場もありますが、有料の場合もあります。
自動車保険には代車の費用を補償する「代車費用特約(レンタカー費用特約)」がありますが、セットした方がいい必要性の高い特約なのでしょうか?
今回は、代車費用特約の補償内容と必要性について解説します。また、特約をセットしなくても無料で代車を借りる方法もご紹介しますので、いざという時にご活用頂ければと思います。
1.代車費用特約(レンタカー費用特約)とは?
代車費用特約(レンタカー費用特約)の補償内容等は、以下の通りです。
1)補償内容
代車費用特約(レンタカー費用特約)は、車両保険の支払い対象となる事故や保険会社が提供するロードサービスでレッカー搬送され、修理中に車を使用できない場合の代車費用(実費)を補償します。保険会社によって特約名は違いますが、「代車費用特約」や「レンタカー費用特約」と呼ばれています。
補償限度額は、1日5,000~10,000円程度です。
なお、補償対象となるのは、レンタカー会社から借りた車に限られます。友人や知人などから車を借りた場合は、補償対象外です。
2)補償期間
補償期間は、「レンタカーの利用開始日からその日を含めて30日」としている保険会社が一般的です。
3)代車費用特約(レンタカー費用特約)を使用すると等級が下がる?
代車費用特約(レンタカー費用特約)のみの使用であれば、「ノーカウント事故」で等級が下がることはありません。
しかし、代車費用特約(レンタカー費用特約)と同時に車両保険を使用して車を修理すれば、「3等級ダウン事故」か「1等級ダウン事故」となり、等級が下がります。
『自動車保険の等級制度(ノンフリート等級別料率制度)』
この特約を付帯すると保険料が高くなるので、私の経験では付帯されている方は少ないように思います。補償額も最大で30万円(1万円×30日)程度です。実際、セゾン自動車火災における自動車保険契約者の「事故時代車費用特約」の付帯率は9.3%(2017年3月末時点)です。
2.修理工場の代車
事故等で車を修理に入れると無料で代車を貸してくれる修理工場やディーラーもあります。しかし、修理工場が混んでいて代車が出せないということもあります。そのような際に代車費用の特約を付帯していないと、自腹でレンタカー代を支払うことになります。
修理期間が短ければいいですが、長くなると1日数千円でもかなりの出費になります。実際に先日事故に遭われた方で、車両修理の際の部品取り寄せに時間がかかり、代車費用が1週間程度で4万円以上かかった事例がありました。
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3.代車を無料で用意する方法
実は、代車費用を補償する特約をセットせずに無料で代車を用意する方法があります。保険会社が勧める提携修理工場に自動車を修理に入れると無料で代車を用意してもらえます。
但し、車種は選択できません。また、車両保険を使用する場合や事故による修理が必要な場合のみのサービスですので、ご注意ください。
なお、指定修理工場の混雑状況によっては、代車の提供までに時間がかかる場合があります。
三井ダイレクト損保の指定修理工場を利用した場合に受けられるサービスは下記のようなものがあります。
●事故車両の無料引取・納車
●修理箇所の永久保証
●修理期間中の無料代車
●納車時の無料洗車
上記ようなサービスはほとんどの保険会社でやっているので、修理が必要で代車が必要な場合は保険会社の事故担当に相談してみてください。
同様のサービスは、保険会社によって若干サービス内容が異なります。各社のサービス内容は下記をご参照ください。
ソニー損保
・無料代車提供
・修理費の割引
・修理箇所ワンオーナー永久保証
・無料引取サービス
・無料納車サービス
・無料洗車サービス
イーデザイン損保
・無料代車サービス
・修理箇所ワンオーナー永久保証
・無料引取サービス
・無料納車サービス
アクサダイレクト
・事故車両の無料引取
・修理期間中の無料代車
・修理完了車両のクリーニング
・修理完了車両の無料納車
・修理費の割引
・修理箇所の保証
SBI損保
・無料引取、無料納車
・修理期間中の無料代車
・修理保証書の発行
保険会社の指定修理工場が住んでいる近所にあることも重要になると思いますが、保険会社によって提携修理工場の数は異なります。例えば、SBI損保は全国約1,410ヵ所(2017年3月末現在)、セゾン自動車火災は全国約610ヶ所(2017年5月1日現在)となっています。
4.代車費用特約(レンタカー費用特約)は必要?不要?
保険会社各社には、上記のような提携修理工場があり、代車は無料で手配してくれるので、代車費用特約(レンタカー費用特約)は不要ではないのかと思われる方も多いでしょう。
1)代車費用特約(レンタカー費用特約)が必要な方
通勤や通学などで日常的に車を使用していて、代車についても車種を選びたい方は、代車費用特約(レンタカー費用特約)をセットするといいでしょう。
保険会社の提携修理工場では、代車の車種は選べませんし、修理工場が混んでいる場合、すぐには代車を準備してもらえません。日常的に車を使用している方はそれでは困るので、代車費用特約(レンタカー費用特約)をセットする価値はあります。
2)代車費用特約(レンタカー費用特約)が不要な方
一方、車に乗るのは休日くらい、代車の車種にもこだわりはないという方については、代車費用特約(レンタカー費用特約)をセットする必要はありません。
まとめ
車に乗るのは休日くらい、代車の車種にもこだわりはないという方や車を修理する際に必ず入庫するディーラーや修理工場が特に決まっていない場合は、保険料の高い「代車費用特約」をセットせず、保険会社の提携修理工場を有効にご活用下さい。
代車の無料貸し出しだけでなく、修理箇所の保証や事故車両の無料引き取りや納車もあり、利用する価値はあると思います。
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最終更新日:2018年3月30日
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