肥満は生活習慣病の元凶といわれ、メタボリック検診が行われていますが、実は生命保険や医療保険等にも肥満度は影響します。肥満だと生命保険に加入できない可能性があります。
保険会社はどのような基準で肥満度を判定しているのでしょうか。今回は、肥満が生命保険に与える影響についてご紹介します。
BMIや血圧によって生命保険の保険料が割引になる条件についても解説しますので、生命保険を検討の方は参考にして頂ければと思います。
1.身長と体重で何を確認?
生命保険や医療保険等に申し込む際には、健康状態等の告知が必要になりますが、告知書には身長と体重を記入する欄があります。医師の診査でも体重と身長を聞かれます。
基本的に殆どの保険会社の告知書には身長、体重を書かせる欄がありますが、アフラックのように稀に身長、体重を告知させない保険会社もあります。
さて、保険会社は身長・体重で何を確認しているかというと肥満度です。
2.BMI(ボディー・マス・インデックス)とは?
肥満を量る指数にBMI(体格指数:Body Math Index)がありますが、適正範囲内でないと生命保険や医療保険等に加入できないことがあります。
BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))
BMI | |
---|---|
低体重(やせ) | 18.5未満 |
普通体重 | 18.5以上25未満 |
肥満(1度) | 25以上30未満 |
肥満(2度) | 30以上35未満 |
肥満(3度) | 35以上40未満 |
肥満(4度) | 40以上 |
太り過ぎはもちろんのこと、実は、やせ過ぎでも生命保険に加入できない可能性があります。ちなみにBMIの標準値は22です。
実際には、どの程度の肥満度まで生命保険や医療保険に加入可能なのでしょうか?マニュライフ生命は死亡保障<優良体以外>・医療保障・特定疾病保障(ガン保障・保険料払込免除含む)・死亡保障<優良体>の健康診断書扱の引受基準範囲を公表しています。公表されているBMIの引受基準範囲は下表の通りです。
性別 | 契約年齢 | BMI |
---|---|---|
男性 | 16~39歳 | 16以上~32未満 |
40~59歳 | 16以上~33未満 | |
60歳以上 | 17以上~34未満 | |
女性 | 16~39歳 | 15以上~32未満 |
40~59歳 | 15以上~33未満 | |
60歳以上 | 16以上~34未満 |
上記は特別な条件等が付かずに加入できる範囲の目安です。実際の契約引受に関しては、BMI以外の数値や告知内容等も考慮して総合的に判断されることになります。
『特別条件付き契約とは?|緩和型医療保険・生命保険との違い』
下記サイトでBMIを計算できるので、ご自分の身長、体重を入力して試してみていかがでしょうか。
BMI(肥満度)チェック
3.BMIは保険料割引にも利用される
『禁煙すれば生命保険の保険料を節約できる!?』でもご紹介しましたが、被保険者(保障の対象者)の健康状態によっては健康優良体割引として保険料を割引く保険会社があります。
BMIは保険料割引の際にも重要になってくる指標です。被保険者の健康状態が保険会社が定める基準を満たすと優良体(健康体)割引が適用され、保険料が割引きになります。
スポンサーリンク
4.優良体(健康体)割引がある会社
非喫煙割引と同様に優良体(健康体)割引についても全ての保険会社で取扱いがあるわけではありません。
優良体(健康体)割引の取り扱いのある主な保険会社は下記の通りです。
●ソニー生命
●損保ジャパン日本興亜ひまわり生命
●三井住友あいおい生命
●メットライフ生命
●アフラック
●エヌエヌ生命(旧ING生命) 等
また、商品についても全商品に優良体(健康体)割引があるわけではなく、収入保障保険や定期保険に割引が適用されます。
5.優良体(健康体)割引が適用される条件
優良体(健康体)割引はどのような条件の時に適用されるのでしょうか。
下記が三井住友あいおい生命の「健康優良割引」と損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「健康体料率特約」の適用条件です。
【三井住友海上あいおい生命】
血圧
最高:139以下 最低:89以下
BMI
18.0以上27.0以下
【損保ジャパン日本興亜ひまわり生命】
血圧
最高:140以下 最低:90以下
BMI
18.0以上27.0以下
例えば、身長が175㎝の方であれば、体重が55㎏~82㎏の間くらいで上記の割引が適用できます。
6.保険料例
健康優良体割引が適用されると、どの程度保険料が安くなるのかを比較してみました。
商品:収入保障保険
被保険者:男性30歳
保険期間:65歳
年金月額:20万円
健康優良体割引:無
非喫煙者割引:無
月払保険料:9,100円
健康優良体割引:有
非喫煙者割引:無
月払保険料:7,980円
健康優良体割引:有
非喫煙者割引:有
月払保険料:6,380円
割引適用なしと健康優良体割引が適用された保険料差は、月額1,120円です。
更に非喫煙割引が適用されると保険料差は、月額2,720円、年間で32,640円にもなります。保険期間の35年間では、なんと約114万円もの差になります。タバコを吸わず健康優良体であれば、かなり大きな割引になることが分かります。
7.加入後にやせたら・・・
太っていた人が生命保険加入後に痩せてBMIや血圧が優良体(健康体)割引の適用基準値内になったとしても割引の適用はされません。これは非喫煙割引と同様で、保険加入時の状態で判断されます。
但し、太っていた人がやせた場合、条件にもよりますが、現在加入している生命保険よりも健康優良体割引が適用された保険に加入し直した方が保険料が安くなる可能性はあります。
まとめ
タバコを吸わないと生命保険の保険料が割引になるということをご存知の方は多いと思いますが、体型でも保険料が割引になる商品もあります。
『禁煙すれば生命保険の保険料を節約できる!?』
健康になってかつ、保険料も節約できるという一石二鳥の効果があるので、体型が気になっている方はダイエットを考えられてはいかがでしょうか?
最終更新日:2017年9月24日
No.25