2台以上の車を持っていて自動車保険に加入する場合、保険料は安くならないのか、と思っている方も多いのではないでしょうか。車を複数台所有している方向けの割引として、ノンフリート多数割引きがあります。
自動車を2台以上所有している方はノンフリート多数割引を活用して自動車保険の保険料を2%~7%程度、節約できる可能性があります。
今回はノンフリート多数割引について解説します。ノンフリート多数割引の取り扱いがある保険会社や割引率などをご紹介しますので、自動車を複数台所有している方は参考にして、保険料節約につなげて頂ければと思います。
1.ノンフリート多数割引とは?
ノンフリート多数割引とは、付保台数9台以下(10台以上はフリート契約になります)の複数車両を1保険証券で契約※することにより適用される自動車保険の割引の1つです。
ノンフリート多数割引を「ミニフリート」や「セミフリート」と呼んでいる保険会社があります。
※保険会社によっては複数の保険証券で契約する場合でも、一定の条件を満たしたときは、この割引が適用される場合があります。
ノンフリート多数割引を適用するには、一定の条件を満たす必要があります。契約者と記名被保険者が同じである必要はありませんが、記名被保険者が下記の方であるという条件があります。原則、車の所有者については条件はありません。
保険契約者
保険契約者の配偶者(内縁を含む)
保険契約者またはその配偶者の同居の親族
例えば、Aさん同居の父親が2台(記名被保険者:父親)、Aさんが1台(記名被保険者:Aさん)、A家で計3台の車を所有しているとします。
その3台の車の自動車保険を別々の保険会社で契約している場合、割引はありませんが、3台の自動車保険を同じ保険会社の1保険証券で契約した場合、割引が適用されます。
つまり、1人で複数台の車を所有する必要はなく、一家で複数台の車を所有していれば、ノンフリート多数割引を適用できる可能性があります。
また、ノンフリート多数割引は個人だけではなく、法人の場合も活用できる割引です。法人の場合、所有している車がフリート契約となる10台には達していなくても、複数台の車を所有しているということも多いのではないでしょうか。そのような場合にも複数台の自動車保険契約を1保険証券にまとめることにより、ノンフリート多数割引の適用が可能です。
尚、自動車を複数台所有している場合に適用されるセカンドカー割引(複数所有新規割引)がありますが、条件を満たせば、セカンドカー割引(複数所有新規割引)とノンフリート多数割引両方の割引を適用することが可能です。
セカンドカー割引(複数所有新規割引)の詳細については、下記記事をご参照ください。
『セカンドカー割引(複数所有新規)が使える可能性があります!』
2.割引が適用される台数が保険会社によって異なる
ノンフリート多数割引は割引が適用となる自動車の契約台数が保険会社によって異なります。
主な保険会社のノンフリート多数割引が適用となる契約台数は下記の通りです。
東京海上日動:2台以上
三井住友海上:2台以上
損保ジャパン日本興亜:2台以上
あいおいニッセイ同和:2台以上
AIG損保:2台以上
朝日火災:2台以上
上記保険会社の中では、以前、東京海上日動と朝日火災が3台以上の契約でないとノンフリート多数割引は適用されませんでした。しかし、現在では、上記全ての保険会社で契約台数が2台以上から割引の適用が可能です。
3.割引率も各社で異なる
適用される割引率も各社で異なります。主な保険会社の割引率は下表の通りです。
■損保ジャパン日本興亜
1保険証券の契約台数 | 割引率 |
---|---|
2台 | 3% |
3台以上5台以下 | 4% |
6台以上 | 6% |
■東京海上日動
1保険証券の契約台数 | 割引率 |
---|---|
2台 | 3% |
3台以上5台以下 | 4% |
6台以上 | 6% |
■あいおいニッセイ同和
1保険証券の契約台数 | 割引率 |
---|---|
2台 | 3% |
3台以上5台以下 | 4% |
6台以上 | 5% |
■AIG損保
1保険証券の契約台数 | 割引率 |
---|---|
2台 | 1% |
3台以上5台以下 | 5% |
6台以上 | 7% |
■朝日火災
1保険証券の契約台数 | 割引率 |
---|---|
2台 | 1% |
3台以上 | 5% |
上記保険会社の中で割引率が高いのはAIG損保で、6台以上あれば7%の割引きになります。個人で6台所有している方は少ないかもしれませんが、法人であれば6台所有という可能性は十分あると思います。
4.1台が事故を起こした場合、事故をしていない車の等級はどうなる?
「ノンフリート多数割引を適用するために複数の車を1保険証券にまとめて契約し、その中の1台が事故を起こした場合、他の車の割引(等級)に影響するのか?」という質問を頂くことがあります。1台が事故を起こし、保険を使用した場合、他の車の割引(等級)も下がるのかという疑問です。
ノンフリート多数割引の場合は、車1台ごとにノンフリート等級(割増引率)があるので、1台が事故を起こして保険を使用した場合、その1台の等級がダウンするだけで、他の車の等級が下がることはありません。フリート契約とは違い他の車の割増引率(等級)には影響しません。
自動車保険の等級制度(ノンフリート等級別料率制度)の詳細については、下記記事をご参照ください。
『自動車保険の等級制度(ノンフリート等級別料率制度)』
5.通販型自動車保険にはない割引?
ソニー損保等の通販(ダイレクト)型自動車保険にはノンフリート多数割引はないようです。大手損保のような代理店型の保険会社にしかない割引制度です。
通販(ダイレクト)型自動車保険にはノンフリート多数割引制度が無いといっても、大手損保等の代理店型に比べてもともと保険料が安いので、ノンフリート多数割引がなくても、通販型(ダイレクト)型自動車保険の保険料の方が安い可能性があります。
保険料は条件によって異なりますので、実際に下記ページから一括見積もりをされてはいかがでしょうか?代理店型の会社、通販(ダイレクト)型の会社ともに一括で見積もりが可能です。
『自動車保険見直し(無料一括見積もりサービス)』
ノンフリート多数割引きは通販(ダイレクト)型自動車保険にはありませんが、ソニー損保やセゾン自動車火災のように2台目以降の自動車を契約した場合、定額の割引制度がある保険会社があります。
2台目以降の車の自動車保険を契約した場合、ソニー損保では保険料が1,000円割引、セゾン自動車火災では600円割引となります。
尚、2台目の車に当該割引が適用された後、1台目の車の契約を継続すると、下図の通り、1台目の車にも同額の割引が適用されます。
まとめ
一家に自動車が2台以上あるご家庭も多いと思います。複数のお車を1保険証券で契約していない場合、ノンフリート多数割引を活用して保険料の節約ができる可能性があるので、一度ご確認頂ければと思います。
最終更新日:2018年5月20日
No.34