「自動車保険を同じ保険会社で継続(更新)すると割引などのメリットがあるのか?」という質問を頂きました。
同じ保険会社で自動車保険を継続(更新)すると、保険料が割引となり、保険会社を乗り換えるよりお得になるのでしょうか?また、事故の際の事故対応が良くなったり、保険金の支払いがスムーズになったりするのでしょうか?
同じ保険会社で自動車保険契約を継続(更新)することによって発生するメリットと、保険会社を乗り換えた場合のメリットを比較してみたいと思います。
自動車保険を同じ保険会社で継続(更新)するか、乗り換えるか迷われている方は、今回の記事を参考にして頂ければと思います。
1.保険会社を乗り換えてもノンフリート等級は引き継げる?
自動車保険を契約する保険会社を乗り換える(切り替える)と、ノンフリート等級は6等級に戻るのかという質問を頂くこがあります。
ノンフリート等級(割増引率)は保険会社を乗り換えても引継げます。例えば、10等級の自動車保険をA社で契約し、1年間無事故で満期を迎え、B社に乗り換えた場合、B社で契約する自動車保険は11等級となります。
自動車保険を契約する保険会社を変更しても等級はリセットされることなく、新しい保険会社に引き継がれますので、等級制度という観点では、同じ保険会社で自動車保険を継続する必要性及びメリットはありません。
『保険会社を変更(乗り換え)した場合、自動車保険の等級(割引)は引き継げる?』
自動車保険の等級制度の詳細については、下記記事をご参照ください。
『自動車保険の等級制度(ノンフリート等級別料率制度)』
2.代理店型の自動車保険を継続(更新)するメリット
代理店型の自動車保険の場合、同じ保険会社で継続(更新)することにメリットが発生する可能性があります(複数社の自動車保険を取り扱う代理店の場合には、その代理店内で保険会社を変更する場合も含みます)。
代理店によっては、担当者が変わることもあると思いますが、基本的には同じ担当者が契約(更新)手続きや事故対応を継続的に担当する代理店が多いと思います。親切で知識がある代理店の営業担当で自動車保険を契約(継続)すれば、事故時については、親身になって相談に乗ってくれるでしょうし、事故現場に駆けつけてくれる担当者もいるでしょう。
また、自動車保険の満期更改時は補償内容について的確なアドバイスがもらえ、保険期間中の契約条件の変更(年齢条件の変更や使用目的の変更等)についても確実に案内をしてくれるでしょう。
代理店型のデメリットとしては、通販(ダイレクト)型と比べると保険料が高くなる傾向があるという点です。しかし、的確なアドバイスや事故時の対応について、原則決まった人が対応してくれるという安心感がありますので、それを必要なコストと考えれば安いものかもしれません。
例えば、代理店型の自動車保険が通販(ダイレクト)型と比べて年間1万円高かったとしてもそれを超えるサービスがあると判断できれば、決して損はないわけです。サービス内容が良ければその分、コストが高くなるのは当たり前ではないでしょうか。
但し、契約者のために動かない、知識もないというような代理店の担当者で自動車保険を契約してしまった場合には、保険料が高い分だけ、ムダなコストを払うことになってしまう可能性があります。
3.通販型(ダイレクト型)の自動車保険を継続(更新)するメリット
ダイレクト型の自動車保険の場合、担当者については、事故対応は担当者が毎回異なるでしょうし、問い合わせの対応も毎回担当者が異なると思います。
毎回同じ担当者が対応してくれる安心感という点では、代理店型には劣ると思いますが、通販型(ダイレクト型)の場合には、継続割引や無事故割引を導入している保険会社があります。
継続割引や無事故割引は、自動車保険を契約して2年目以降に適用される割引です。また、継続割引については、継続している年数が長いほど適用される割引率が高くなります。
例えば、イーデザイン損保の継続割引は下表の通りになります。イーデザイン損保で自動車保険を継続する期間が長いほど、割引率は高くなっていきます。
契約年数 | 割引率 |
---|---|
1年目 | 0% |
2年目 | 0.5% |
3年目 | 1.0% |
4年目 | 1.5% |
5年目 | 2.0% |
6年目 | 2.5% |
7年目以降 | 3.0% |
上記のような継続割引を導入している通販(ダイレクト)型の保険会社については、同じ会社で自動車保険を継続(更新)するメリットはあると思います。
4.インターネット割引は新規契約時と継続契約時の割引額に注意
通販型(ダイレクト型)の自動車保険を契約するメリットの1つにインターネット割引があります。パソンコンやスマホから契約手続きを行えば、新規契約だけでなく継続(更新)契約も保険料が安くなるという割引ですが、注意して頂きたい点があります。
それは、新規契約時と継続契約時でインターネット割引の割引額が異なる保険会社があるという点です。新規契約の場合は1万円割引でも継続時には、割引額が1,000円という会社もあります。
インターネット割引だけに注目して考えると、継続時の割引額が低い保険会社を継続するメリットはなく、新規契約と継続契約時の割引額が同じ保険会社を選択した方がいいでしょう。
但し、最終的には、特定の割引額のみに注目するのではなく、保険料の総額で安さを確認することが重要です。
『通販型自動車保険の各種割引|無事故割引・ネット割引・早割など』
5.自動車保険を乗り換える場合のメリット
自動車保険を乗り換える(切り替える)最大のメリットは、自動車保険の保険料を安くできる点です。
原則、どこの保険会社の自動車保険に加入しても補償内容や保険金の支払時の事故対応などに大きな差はありません。
よって、とにかく保険料の安さを求めるのであれば、満期の度に保険料の比較を複数社で行って一番保険料の安い保険会社を選ぶのが一番簡単な方法です。
自動車保険の保険料は車を所有し続ける限り、支払っていく必要があり、掛け捨てです。掛け捨ての保険料を年間2万円安くできれば、10年間では20万円もの差が出ます。
無料一括見積もり比較サイトもあるので、複数社の試算を1社ずつ行う手間が省けます。
『自動車保険一括見積もり比較(無料)』
また、通販型自動車保険の中には、新規契約者向けにキャンペーンを行っている場合があります。新規契約者向けのキャンペーンを上手に利用すれば、保険料が安くなるうえに図書カードなどの商品がもらえます。
まとめ
同じ保険会社で何年も自動車保険を継続したからといって、他の契約者と比べて事故の際の事故対応や保険金支払額などに差が出ることはありません。
自動車保険を同じ保険会社で継続するメリットとなるポイントは、どのような点を重視しているかで異なります。契約(更新)手続き時の案内や事故対応などのサービス面を重視するか、保険料の安さを重視するかです。
しっかりしたサービスができる担当者に長期間契約を任せたいのであれば、代理店型の自動車保険を継続するメリットはあると思います。
継続割引やインターネット割引などを活用して保険料を安くしたいのであれば、通販型(ダイレクト型)の自動車保険を継続する方がメリットがあります。
保険料の安さを求めるのであれば、無料一括見積もりで複数社の保険料を比較し、毎年一番安い保険料の会社で契約するのもいいでしょう。
最終更新日:2018年1月7日
No.282