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持病があっても入れる緩和型医療保険・生命保険とは?

先日、生命保険の見直しを検討されている方が、「持病があっても入れる生命保険があるから見直しを急ぐ必要はないね」と言われました。

テレビやネットで持病があっても入れる生命保険や医療保険のCMをよく目にすることがありますが、その詳細な内容までご存知の方は少ないのではないでしょうか?

実は、持病があっても加入できる緩和型の医療保険や生命保険には、メリットだけでなく、デメリットもあります。

持病があっても加入できる緩和型の生命保険や医療保険とはどのような商品なのか、また、メリットやデメリットについて解説します。

今回の記事を読めば、緩和型の医療保険や生命保険のメリットだけでなく、デメリットについても理解することができ、緩和型の医療保険や生命保険を検討する際に参考にしていただけます。

1.緩和型医療保険・生命保険とは?|持病があっても医療保険や生命保険に加入できる?

持病があっても加入できる生命保険や医療保険は「引受基準緩和型」や「限定告知型」と呼ばれています。

この引受基準緩和型(以下、緩和型)は、持病や健康状態により一般の生命保険や医療保険には加入ができない方が契約できるわけですが、病気の無い方と同じ条件で加入できるわけではありません。

例えば、アフラックの医療保険EVERには、一般の方向けの『ちゃんと応える医療保険 EVER』と、健康に不安があるかたでも加入しやすい緩和型医療保険の『もっとやさしい EVER』の2種類があります。

ここで2種類の商品の比較と緩和型の商品に加入する際の注意点をご紹介します。

 

 

 

2.緩和型医療保険は保険料が高い

まず、大きな違いは保険料です。2つの商品を30歳男性で比較してみると、下記のようになります。

ちゃんと応える医療保険 EVER<保険料定額タイプ>
入院給付金日額:5,000円
入院給付金支払限度:60日型
保険期間:終身
保険料払込期間:終身
プラン:通院ありプラン
月額保険料1,798円

もっとやさしい EVER
入院給付金日額:5,000円
保険期間:終身
保険料払込期間:終身
プラン:スタンダードプラン
月額保険料3,669円

保険料は健康な方が加入する医療保険に比べて緩和型は約2倍です。緩和型の場合、この高い保険料を一生涯払い続ける必要があります。

 

 

 

3.緩和型医療保険は保障が一定期間削減される

次に保障内容ですが、緩和型の「もっとやさしい EVER」では、下記の全ての保障が契約日から1年間は50%に削減されます。つまり、契約日から1年以内に入院や手術などをすると、受け取れる給付金は半分になってしまいます。

入院給付金日額5,000円プランの「ちゃんと応える医療保険 EVER」と「もっとやさしい EVER」の加入日から1年以内の保障内容は下表の通りです。

EVER もっとやさしい EVER
疾病・災害入院給付金 5,000円/1日 5,000円 → 2,500円/1日
手術給付金(入院なし) 2.5万円/1回 2.5万円 → 1.25万円/1回
手術給付金(入院あり) 5万円/1回 5万円 → 2.5万円/1回
放射線治療給付金 5万円/1回 5万円 → 2.5万円/1回
疾病・災害通院給付金 3,000円/1日 3,000円 → 1,500円/1日

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4.緩和型医療保険の告知項目とは?

緩和型医療保険といっても全く無条件に加入できるわけではありません。『もっとやさしい EVER』の場合、下記3つの告知事項に答える必要があり、1つでも「はい」に該当する項目があると加入することができません

「もっとやさしい EVER」の告知項目

  1. 現在入院中か?または過去1年以内に入院・手術・先進医療・検査をすすめられ、現在、診療完了していないものはあるか?
  2. 過去2年以内に所定の病気で入院をしたことがあるか?
  3. 過去5年以内に所定の病気や異常で医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがあるか?

無選択型無告知型と呼ばれる告知や医師の診査の必要がない商品もありますが、やはり緩和型と同じように保険料が高い等のデメリットがあります。
持病があっても医師の診査や告知なしで生命保険に加入できる?

 

 

 

5.緩和型医療保険に加入する必要性はある?

一般の医療保険に加入できない方が高い保険料を支払って緩和型医療保険に加入する必要性はあるのでしょうか?

そもそも日本の公的医療保険制度は充実しているので、一般の方に関しても医療保険の必要性は高くありません。持病や健康に不安がある方に関しても同じように公的医療保険の保障が充実しているので、高い保険料を支払ってムリに緩和型医療保険に加入する必要性は高くないといえます。
医療保険は必要?不要?

例えば、持病がある方は医療費が高額になることを心配されるかもしれませんが、公的医療保険には、高額療養費制度があり、医療機関や薬局の窓口で支払った額が暦月(月の初めから終わりまで)で限度額を超えた場合には、その超えた額が支給(還付)される制度です。
医療保険は不要!?高額療養費について理解しておくべきポイント

また、特に60代や70代になって緩和型医療保険に加入するような場合には、保険料が高額になります。よって、60代や70代で医療保険に加入しようと考えている方に関しては、医療保険の保険料を支払ったつもりで貯金をし、医療費が必要な時にその蓄えを使うという考え方もあります。
60代、70代の方に医療保険は必要か?

 

 

 

6.緩和型の医療保険や生命保険を検討する前に・・・

緩和型の医療保険や生命保険を検討されている方でも一般の医療保険や生命保険に加入できる可能性もあります。自分は緩和型にしか加入できないと勝手に判断せず、代理店や保険会社に相談してみてください。

また、生命保険や医療保険契約などには無条件での引き受け以外にも特別条件付きでの引き受けという方法があります。被保険者の健康状態によっては、無条件ではなく、下記のような特別条件付きでの引き受けになることがあります。

特別条件の種類

①保険料割増
主契約または特約の保険料に加えて、特別保険料を加算する方法です。加算された保険料は保険料払込期間中、支払う必要があります。

②保険金・給付金削減
契約日から保険会社が指定する削減期間内に保険事故が発生した場合、保険金額や給付金額が一定の割合で削減されます。

③特定部位不担保
医療保険に付けられることが多い条件です。

保険会社の指定した部位に生じた疾病の治療のため入院、通院、手術等した場合、入院給付金、通院給付金、手術給付金等が支払われません。つまり、特定部位については、保障対象外となります。

④特定疾病不担保
特定疾病不担保とは、保険会社が指定した特定の疾病が保障の対象外となります。

医療保険や生命保険などは、告知項目が1つでもあれば、即引受不可というわけではなく、上記のような一定の条件付きで引き受けという可能性があります。

一般の商品に加入した場合と緩和型の商品に加入した場合とでは、保険料が大きく異なります。生涯払い続ける保険料で考えると、その差は大きな額になりますので、まず最初に一般の商品に加入できるかを確認頂ければと思います。
特別条件付き契約とは?|緩和型医療保険・生命保険との違い

 

 

 

まとめ

上記でご紹介した理由からも医療保険や生命保険の見直しを考えている場合は、早目に結論を出した方が良いといえます。

緩和型医療保険や緩和型生命保険には、持病があっても加入し易いというメリットがある一方で、保険料が高い等のデメリットがあります。

最終更新日:2018年12月13日
No.112