保険の第〇分野という言葉を聞いたことがあるでしょうか?一般の方には馴染みのない言葉かもしれません。
保険には大きく分けて第一分野、第二分野、第三分野の3つのカテゴリーがあり、保険業法により大別されています。今回は、保険の第一分野、第二分野、第三分野についてご説明したいと思います。
1.第一分野とは?
“第一分野”の保険とは、生命保険会社が取扱っている、年金保険や死亡保険などの「人の生存又は死亡に関して保険金を支払う」保険を指します。終身保険、定期保険、養老保険、年金保険などが第一分野の商品です。
第一分野の保険は人の生存または死亡に対して一定の額の保険金を支払う「定額払い」を基本としています。また、第一分野の商品の保険期間は10年、20年、終身等、長く設定されています。
第一分野の商品である「生命保険」は生命保険会社のみが引き受け可能で、損害保険会社が引き受けることはできません。
2.第二分野とは?
“第二分野”の保険とは、損害保険会社が取扱う火災保険や自動車保険などの「偶然な事故により生じる損害を填補する」保険を指します。自動車保険、火災保険、賠償責任保険などが第一分野の商品です。
第二分野の保険は偶然の事故によって生じる損害に対して保険金を支払います。第一分野の「定額払い」とは異なり、実際にこうむった損害額を支払う「実損払い」が基本となっています。
損害保険は『利得禁止の原則』が基本原則の1つとなっていて、保険金の支払いによって利益を得る事を防ぐという考え方があります。保険金の支払いで利益を出すことが許されれば、意図的に事故を起こすことを誘発することにもなりますので、「実損払い」を基本としています。
第二分野の商品の保険期間は、一般的に1年間です。
第二分野である「損害保険」は損害保険会社のみが引き受け可能で、生命保険会社が引き受けることはできません。
3.第三分野とは?
第一分野と第ニ分野の中間に位置し、医療保険(がん保険)や介護保険などの、「人の疾病や傷害の治療などを保障する」保険を“第三分野”の保険と呼んでいます。医療保険、がん保険、傷害保険、所得補償保険などが第三分野の商品です。
第三分野は「定額払い」が基本ですが、「実損払い」の商品も存在します。
第三分野の商品も第一分野の商品と同じように保険期間は長く設定されています。
生命保険会社と損害保険会社は第一分野と第二分野の双方を取扱うことを認められていません。一方、第三分野の保険については、生命保険会社、損害保険会社双方で取扱いが可能で、少子高齢化による「長生きのリスク」が謳われる近年、急速に契約を伸ばしています。
まとめ
保険の種類(分野)についてご理解頂けたでしょうか。保険の種類(分野)をまとめると下表の通りになります。
第一分野 | 第二分野 | 第三分野 | |
---|---|---|---|
取扱保険会社 | 生命保険会社 | 損害保険会社 | 生命保険会社 損害保険会社 |
保険金支払方法 | 定額払い | 実損払い | 定額払い及び 実損払い |
主な商品 | 終身保険 定期保険 養老保険 年金保険 |
自動車保険 火災保険 バイク保険 賠償責任保険 |
がん保険 医療保険 傷害保険 所得補償保険 |
第1分野と第2分野の大きな違いは、上表の通り、第1分野の保険が「定額払い」であり、第2分野の保険が「実損払い」である点です。
保険に加入する際にこの商品は第〇分野の保険だと意識される方は少ないと思いますが、保険選びの際の参考にして頂ければと思います。
最終更新日:2018年12月15日
No.3