ゴルフをする方の中には、ホールインワンを達成すると、祝賀会の開催や記念品の配布などで思わぬ出費が発生することを心配される方も多いと思います。
ホールインワン達成時の出費に備えてホールインワン保険(ゴルフ保険)を検討する場合があると思いますが、どのような補償内容なのでしょうか?加入する必要性は高いのでしょうか?
そこで、今回はホールインワン達成時の費用負担を補償するホールインワン保険(ゴルフ保険)の下記ポイントについて解説します。
- ホールインワン保険とは?
- ホールインワン・アルバトロス費用の補償内容
- セルフプレーでのホールインワンも補償される?
- ホールインワン保険は必要性が高い?
- ホールインワン・アルバトロス費用の保険料試算例
ホールインワン保険(ゴルフ保険)について知り、加入を検討する際の参考にして頂ければと思います。
1.ホールインワン保険とは?
「ホールインワン達成時に備えるための保険として、ホールインワン保険はないか?」と聞かれることがありますが、ホールインワンに備えるためだけの保険は存在しません。
ゴルフ保険(ゴルファー保険)の補償の中にホールインワンやアルバトロスを達成した際のお祝い費用が出る補償があり、その補償をホールインワン保険と呼んでいる場合があるようです。
なお、ゴルフ保険(ゴルファー保険)には、ホールインワン・アルバトロス費用の他に、下記のような補償があります。
・第三者に対する賠償責任補償
・ゴルファー自身のケガの補償
・ゴルフ用品の損害補償
ゴルフ保険(ゴルファー保険)の詳細については、下記記事をご参照ください。
『1日単位で加入できるゴルフ保険(ゴルファー保険)はお得?』
2.ホールインワン・アルバトロス費用の補償内容
ホールインワン・アルバトロス費用は、日本国内のゴルフ場で、ホールインワンまたはアルバトロスを達成した場合に、達成のお祝いとして実際にかかった費用を受け取れる補償です。
実際に支出した下記のような費用を受け取れます。
・贈呈用記念品購入費用
・祝賀会に要する費用
・記念植樹費用
・同伴キャディに対する祝儀
贈呈用記念品には、貨幣、紙幣、有価証券、商品券等の物品切手、プリペイドカードは含まれませんので、注意が必要です。ただし、被保険者が達成を記念して特に作成したプリペイドカードは贈呈用記念品に含まれます。
・セルフプレーでホールインワンした場合は補償される?
ホールインワン・アルバトロス費用は、保険金詐欺が発生しやすい補償です。ホールインワンをしたといった自己申告だけで保険金を支払うようであれば、保険金詐欺を助長してしまいます。
よって、補償対象となる条件が定められています。
最も注意して頂きたい条件が、キャディを使用しないセルフプレー中に達成したホールインワンまたはアルバトロスについては、原則として保険金支払いの対象とならない点です。
ただし、セルフプレーでも下記のような場合は補償対象となります。
- ゴルフ場の使用人が目撃しており、署名または記名捺印された証明書が得られる場合
- 同伴競技者以外の第三者(※)が目撃しており、署名または記名捺印された証明書が得られる場合
- ビデオ映像が提出できる場合 など
(※)同伴競技者以外の第三者とは、同伴キャディ、ゴルフ場使用人、ゴルフ場内の売店運営業者、ワン・オン・イベント業者、先行・後続のパーティーのプレーヤー、公式競技参加者、公式競技の競技委員、ゴルフ場に出入りする造園業者・工事業者 等
・海外でのホールインワン・アルバトロスは補償対象外
ホールインワン・アルバトロス費用補償については、日本国内のゴルフ場で達成した場合に補償が限定されているので、海外のゴルフ場におけるホールインワン・アルバトロス達成は補償の対象となりません。
海外旅行中にゴルフを楽しむ方も多いと思いますが、海外でのホールインワン・アルバトロス達成は補償されませんので、注意が必要です。
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3.ホールインワンを達成した時のためにゴルフ保険は必要?
ホールインワンやアルバトロスを達成した時のためにゴルフ保険(ゴルファー保険)には加入しておいた方がいいのでしょうか?
お祝いをする必要性やお祝い費用の観点からゴルフ保険の必要性を考えてみたいと思います。
・なぜ、ホールインワンをするとお祝いをする必要があるのか?
日本では、ホールインワンやアルバトロスを達成した際にはお祝いを開催する慣習があります。
ホールインワンは、めったに起こらない幸運ですので、「幸運のお裾分け」でお祝いをしたり、「幸運のあとには不幸がくる」という考えから、今後の不幸を招かないための「厄除け」として、ホールインワンやアルバトロスを達成した人がお祝いをするという意味合いもあるようです。
お祝いの習慣があるとはいえ、絶対に「お祝い」をしないといけないのでしょうか?
気心の知れた仲間内だけの時であれば「何もしない」という選択はありかもしれませんが、コンペなどでホールインワンやアルバトロスを達成してしまうと記念品を配ったり、祝賀会の開催などは避けては通れないでしょう。
・ホールインワン達成時のお祝い費用の相場
ホールインワン達成時のお祝い費用の事例としては、祝賀会や祝賀コンペの開催、名前などが刻印されたゴルフボールやゴルフタオル、プリペイドカードを記念品として配ったり、記念植樹やキャディさんへの祝儀などがあります。
費用は数十万程度から、大規模なゴルフコンペなどでは100万円を超える場合があります。
・ホールインワン保険(ゴルフ保険)の必要性が高い方とは?
ホールインワンやアルバトロス達成時のためにゴルフ保険が必要かというと、必要性が高い方と必要性が低い方とに分かれます。
全ての方にとってゴルフ保険が必須というわけではありません。
上記の通り、ホールインワンやアルバトロスを達成した際にはお祝いを開催する慣習があり、費用としては、最低でも数十万単位でかかると考えるとゴルファー保険に入っておいた方がいいと考える方も多いでしょう。
ホールインワンやアルバトロスを達成する確率は低いとしても、仮に達成すると突発的に数十万単位のお金が必要になります。そのような金額を準備できない方はゴルファー保険に加入しておく意味があります。
・ホールインワン保険(ゴルフ保険)の必要性が低い方とは?
一方、数十万円~100万円程度の金額であれば、貯蓄などから出せるという方にとっては、ゴルファー保険の必要性は低いといえます。
ただし、ゴルフ保険にはホールインワン・アルバトロス費用補償以外にも、賠償責任補償や傷害補償、ゴルフ用品の損害補償もありますので、補償内容を総合的に考えてゴルフ保険の必要性を考えて頂ければと思います。
4.ホールインワン・アルバトロス費用の保険料試算例
実は、ホールインワン・アルバトロス費用の保険料は、他の補償に比べて保険料が高くなっています。ある保険会社のホールインワン・アルバトロス費用の保険料を保険金額ごとに下表の通りまとめてみました。
保険金額 | 10万円 | 20万円 | 30万円 | 50万円 | 100万円 |
---|---|---|---|---|---|
保険料 | 1,520円 | 3,040円 | 4,560円 | 7,600円 | 15,200円 |
更に、ある保険会社のゴルフ用品の損害の保険料を保険金額ごとに下表の通りまとめてみました。
保険金額 | 10万円 | 20万円 | 30万円 | 50万円 | 100万円 |
---|---|---|---|---|---|
保険料 | 1,160円 | 1,780円 | 2,760円 | 4,040円 | 8,960円 |
下記契約例の年間保険料は、3,780円です。うち、ホールインワン・アルバトロス費用の保険料が1,520円、ゴルフ用品の損害の保険料が1,160円で合計2,680円です。2つの補償で、上記契約例の保険料の70%以上を占めていることが分かります。
【ゴルフ保険の契約例】
保険期間:1年間
死亡・後遺障害:600万
入院保険金日額:3,000
通院保険金日額:1,000
第三者に対する賠償責任:1億
ホールインワン・アルバトロス費用:10万
ゴルフ用品の損害:10万
年間保険料:3,780円
なお、上記保険会社は、ホールインワン・アルバトロス費用の補償をセットせずにゴルフ保険を契約することもできます。
5.ホールインワン・アルバトロス費用請求時は領収書が必要?
ホールインワン・アルバトロス費用を請求する際には、下記の通り、領収書やホールインワン・アルバトロス証明書が必要となります。
・領収書
ホールインワン・アルバトロス費用の支払いを証明する領収書(但し書きに「ホールインワン祝賀費用」や「ホールインワン記念品」等の記載がされていること)またはその代わりとなる請求書・納品書。
・保険会社所定のホールインワン・アルバトロス証明書
「ホールインワン・アルバトロス証明書」には次の方の署名または記名・押印が必要です。
- 同伴競技者
- 同伴競技者以外のホールインワンまたはアルバトロスの達成を目撃した第三者
- ゴルフ場の支配人、責任者またはその業務を代行もしくは行使する権限を有する者
なお、領収書とホールインワン・アルバトロス証明書があれば、必ず保険金が受け取れるというわけではないので、祝賀会の開催や記念品を作成する前に保険会社に相談することをおすすめします。
例えば、プリペイドカードなどは、特別に作成したもの以外は補償の対象外となってしまいますので、費用を負担する前に補償対象となるかについて保険会社と相談する方が賢明です。
まとめ
ホールインワンやアルバトロスは狙って出せるものではないですが、達成すると祝賀会の開催や記念品の作成等を避けることができない場合があります。
よって、ホールインワン・アルバトロス費用をセットしたゴルファー保険に加入する必要性は高いといえます。
なお、ゴルフ保険には、ホールインワン・アルバトロス費用補償以外にも他人にケガをさえてしまった場合の賠償責任補償やご自身がケガをした場合の傷害補償などもあります。
ホールインワン・アルバトロス費用以外の補償についても必要性を考慮して、ゴルフ保険への加入を検討して頂ければと思います。
No.376