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医療保険やがん保険の家族型・夫婦型のメリット・デメリット

最近では少なくなりましたが、医療保険やがん保険契約で、特約をセットすることにより、配偶者も保障対象とする「夫婦型」や、子供も保障対象とする「家族型」が選択できる商品があります。

現在の医療保険やがん保険の主流は、「夫婦型」や「家族型」はなく、本人型として1人1契約となっています。

1契約で夫や妻まで保障される夫婦型や、配偶者や子供が保障される家族型は、一見合理的に思えますが、デメリットもあります。

今回は、医療保険やがん保険の「夫婦型」や「家族型」のメリット、デメリットについて解説します。

医療保険やがん保険を選ぶ際の参考にして頂ければと思います。


1.医療保険やがん保険の「家族型」・「夫婦型」とは?

現在の医療保険やがん保険は、1人1契約が主流となっていますが、「夫婦型」や「家族型」という特約によって保障の範囲を配偶者や子供まで広げられる商品があります。

「夫婦型」や「家族型」等の保障範囲は以下の通りです。

 

・本人型

被保険者(保障の対象者)本人のみが保障の対象となります。夫が医療保険を契約した事例の場合、被保険者である夫のみが医療保険の保障対象となります。

 

・夫婦型

被保険者本人とその配偶者が保障の対象です。夫が医療保険を契約した事例の場合、主たる被保険者は夫、従たる被保険者は配偶者である妻となり、夫婦ともに医療保険の保障対象となります。

 

・家族型

被保険者本人とその配偶者、子供が保障の対象です。夫が医療保険を契約した事例の場合、主たる被保険者は夫、従たる被保険者は、配偶者である妻とその子供となり、夫とその家族が医療保険の保障対象となります。

 

先述の通り、現在の医療保険やがん保険の主流は1人1契約になっていますが、約10年くらいより前に契約された医療保険やがん保険などでは、夫婦型や家族型はよく見かける契約です。

また、団体契約の医療保険やがん保険では現在でも夫婦型や家族型の商品が販売されているようです。

 

 

 

2.医療保険やがん保険の「夫婦型」・「家族型」のメリットとは?

まず、「夫婦型」、「家族型」の医療保険やがん保険のメリットを確認したいと思います。

 

1)保険料が安い

医療保険やがん保険の「夫婦型」や「家族型」は保険料を節約できるというメリットがあります。

家族1人ひとりが個別に医療保険やがん保険を契約するよりも、「夫婦型」や「家族型」でまとめて契約することで保険料が安くなります。

「家族型」の場合、子供の人数に関係なく、保険料が一律という商品もあり、子供の人数が多い方はメリットが大きくなります。

 

2)契約の管理がラク

医療保険やがん保険を「夫婦型」や「家族型」で契約することにより、契約数が少なくなり、契約の管理が簡単になります。

例えば、家族5人で医療保険を1人ひとり契約した場合、契約数は5契約になりますが、家族型で契約した場合には、1契約にまとめることができます。

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3.医療保険やがん保険の「夫婦型」・「家族型」のデメリットとは?

さて、ここからは、「夫婦型」、「家族型」の医療保険やがん保険のデメリットを確認したいと思います。

 

1)離婚時

医療保険やがん保険を「夫婦型」や「家族型」で契約し、離婚ということになると、夫婦型で保障の対象となっていた配偶者の保障はなくなってしまうので、配偶者は契約をし直す必要があります。

離婚した配偶者が若ければ、医療保険やがん保険の保険料も安く、また、健康上の問題もなく、新たに契約できますが、離婚した配偶者の年齢が高い場合や健康上の問題がある場合には、医療保険やがん保険に加入できない可能性があります。

 

2)死別時

医療保険やがん保険を「夫婦型」や「家族型」で契約していて、死別した場合も問題が発生することがあります。

例えば、がん保険を「夫婦型」で契約していて、夫が死亡した場合、妻が夫婦型で保障の対象になっているので、亡くなった夫の保障をそのままにして継続するしかないという実際の事例を経験したことがあります。

夫が主たる被保険者、妻が「夫婦型」の従たる被保険者となっているため、夫が先に死亡した場合には主たる被保険者である夫の保障は外す事はできません。妻の保障を残すためには、夫を主たる被保険者とする契約を継続するしかなく、夫死亡後も夫婦型の高い保険料を支払い続ける必要があるということになってしまいます。

逆に妻が先に死亡した場合には、従たる被保険者である妻を保障対象から外す事はできます。

また、主たる被保険者が死亡した場合、契約自体が消滅し、配偶者の保障が無くなってしまう商品もありますので、更に注意が必要です。

 

3)保障内容の見直し時

医療保険やがん保険の保障を見直したい場合、「夫婦型」や「家族型」で契約していることがネックになることがあります。

例えば、主たる被保険者である夫の保障を見直すために医療保険を解約したいが、従たる被保険者である妻の保障もなくなってしまうため、契約を解約したくても解約できないという事態になる可能性もあります。

夫婦とも健康であれば、2人とも新たに医療保険を契約すればいいですが、妻が持病を持っている場合などで健康上の問題があれば、医療保険を契約し直すことは難しくなり、夫婦型の医療保険を解約できない状況に陥ってしまいます。

「夫婦型」や「家族型」の場合、上記の通り、保障見直し時の柔軟性が下がってしまう可能性があります。

 

4)給付金の請求が漏れる可能性

「夫婦型」や「家族型」で加入していることを忘れ、配偶者や家族が保障の対象となる入院や手術をした場合に、給付金の請求を忘れてしまう可能性があります。

 

5)配偶者や子供の保障が6割

従たる被保険者である配偶者や家族の保障が、主たる被保険者の保障の6割程度という商品もあります。

例えば、主たる被保険者である夫の入院給付金日額が5,000円の場合、従たる被保険者の入院給付金日額はその6割の3,000円という商品があります。

 

 

 

まとめ

上記の通り、「夫婦型」や「家族型」のメリットとデメリットを比べてみると、メリットよりもデメリットの方が多いことが分かります。よって、医療保険やがん保険を選ぶ際には、1人1契約の「本人型」の方がいいでしょう。

現在の医療保険やがん保険の主流が1人1契約の「本人型」なのも、上記のようなデメリットの多さが一因だと思います。

子供の医療保険まで1契約だともったいないと思われる方もいると思いますが、子供の医療費は自治体の助成があるので、そもそも不要という考え方もあります。
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最終更新日:2019年4月10日
No.300