ドライブレコーダーを付けている車両が多くなり、色々な事故の映像がテレビ番組等で流れる機会が増えました。
『ドライブレコーダーの装着は自動車保険にメリットがある?』でもご紹介しましたが、ドラブレコーダーの映像は、自動車事故の過失(責任)割合を決める際の証拠にもなりますので、ドラブレコーダーの設置を考えている方も多いと思います。
スマホにダウンロードするドラブレコーダーアプリを提供している保険会社が何社かありますが、実は、ドラブレコーダーを貸し出す特約を提供している保険会社があります。
1.ドライブレコーダーの貸し出し
東京海上日動の「ドライブエージェント パーソナル」は「事故発生の通知等に関する特約」を付帯すると、東京海上日動オリジナルのドライブレコーダーを借りることが出来ます。
オリジナルドライブレコーダー(以下端末)には、通信機能が付いていて事故発生時に自動発報により事故受付や映像の自動送信が可能となっています。また、端末を通じて保険会社の事故受付センター等との音声対話ができます。
2017年4月1日以降始期契約から当該サービスが提供されています。
2.「ドライブエージェント パーソナル」のサービス内容
「ドライブエージェント パーソナル」は「事故発生の通知等に関する特約」をセットした契約者に提供されるテレマティクスサービスの名称です。「ドライブエージェント パーソナル」のサービス内容は以下の通りです。
1)事故対応サービス
いざという時の事故対応サービスは以下の通りです。
①映像送信
端末が一定の衝撃を検知した場合、東京海上日動に映像が自動的に送信され、保険会社と事故映像が共有されます(パソコン等に接続して送信することも可能です)。
②自動発報
端末が強い衝撃を検知した場合、自動的に提携企業(プレミアエイド)に連絡が行われ、端末を使用して通話することができます。状況に応じて、プレミアエイドが消防等への連絡を行います。
また、一定の衝撃を検知した場合には、端末のボタンから手動で東京海上日動安心110番に事故連絡(手動発報)を行うことが可能で、手動発報の場合も端末を通じて通話が可能です。
2)安全運転支援サービス
①映像記録
車の前方の映像をフルHDの高画質で常時録画します。※約4時間の録画が可能で、自動で上書きされます。
②安全運転診断
車の運転情報をもとに作成した契約者専用の「安全運転診断レポート」が満期時(長期契約の場合は始期応当月)に提供されます。
※2017年12月以降に満期日を迎える契約が対象となります。
内容は、利用状況として年間走行距離、年間走行時間、乗車日数等が記録されています。また、急アクセル、急ハンドル、急ブレーキの傾向も記録されていて、ご自身の運転状況の確認に役立つものだと思います。
③事故防止支援
「片寄り走行警告&前方車両接近警告」や「危険地点接近警告」による事故防止支援を行います。
3.特約保険料
特約保険料は月額650円(一時払・年払:7,480円)です。「事故発生の通知等に関する特約」は2017年4月以降であれば、保険期間の途中で同特約をセットすることも可能です
ドラレコを付けると自動車保険の保険料が割引きになるかという質問を頂くことが多いですが、このサービスは、保険料が割引きになるどころか、特約保険料が必要になります。
しかし、ドラレコ自身に通信機能があり、保険会社に映像を自動的に送信したり、保険会社との通話も可能ということで、事故時の安心感が増し、特約保険料分の価値を感じる方もいるのではないでしょうか。
4.対象契約
対象契約はトータルアシスト自動車保険または、トータルアシスト超保険です。記名被保険者が個人である契約が対象になります。記名被保険者が法人である場合には、TAPでの契約になるので、サービス対象外です。フリート契約者向けには「ドライブエージェント」として同様のサービスが既に提供されています。
対象自動車は、自家用普通乗用車、自家用小型乗用車、自家用軽四輪乗用車です。
まとめ
当該特約の必要性を感じるかどうかは別として、取組自体は面白いと思います。
東京海上日動は、当該サービスを提供するために走行距離、走行時間、速度、位置情報、加速度センサーによる計測値等の情報を取得しています。上記の取得した情報によって「安全運転診断レポート」を作成しています。
これだけの情報があれば、走行距離やライバーの運転特性の評価内容によって保険料を算出するテレマティクス保険の提供も可能だと思います。
今後は、その方向に向けて商品開発を行うのかもしれません。
No.291