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火災保険

火災保険の免責(補償対象外)事項と免責金額とは?

火災保険を検討する際に「免責事項」や「免責金額」などの言葉を目や耳にすることがあると思いますが、免責事項や免責金額とはどのような意味なのでしょうか?

免責事項とは、火災保険の補償対象外となる事項という意味です。

では、火災保険で補償されない場合とはどのような場合なのでしょうか?また、免責金額とはどのような金額なのでしょうか?免責金額を設定すると、保険料にどのような影響があるのでしょうか?

火災保険の免責(事由)と免責金額について解説します。

1.火災保険の免責(事由)とは?

免責(事由)とは、保険会社が保険金の支払い責任を免れる場合を定めた事項です。つまり、火災保険で補償対象外となる事項です。

火災保険は火事による損害だけでなく、水災や風災などの損害も補償され、思っている以上に補償範囲の広い商品です。

しかし、建物や家財(テレビや冷蔵庫、衣類など)に対する損害の全てが補償されるというと、そういうわけではなく、補償対象外(免責)となる損害も約款で定めれています。

例えば、火災保険では、契約者の故意・重過失は補償の対象とならない免責(事由)となっています。

また、地震起因の火災や腐食・カビ、さびなどの老朽化や劣化、自然消耗は火災保険では免責(補償対象外)となっています。

また、家財では、自動車(総排気量が125cc以下の原動機付自転車を除く)が家財に含まれない点や、現金が火災で燃えってしまった場合には、補償されないなどの注意点があります。

火災保険の免責(事由)を知ることにより、例えば、地震の損害に備えて地震保険に加入することや、自宅保管の現金は最低限にしておくなどの備えが可能です。

パンフレットなどには必ず「保険金をお支払いできない主な場合」という記載がありますので、火災保険加入前にどのようなことが免責(補償対象外)となるかを確認することが重要です。
火災保険で補償される?されない?

 

 

 

2.火災保険の免責金額とは?

免責金額とは、保険金を受け取る際に発生する自己負担額の事です。例えば、免責金額5万円の契約で、15万円の損害が発生した場合、支払われる保険金は以下の通りです。

15万円(損害額) - 5万円(免責金額) = 10万円(支払保険金)

上記の場合、損害額が5万円を超えない場合には、保険金は支払われません。

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3.免責金額のエクセス方式とフランチャイズ方式

免責金額には、エクセス方式とフランチャイズ方式があり、それぞれに違いがあります。

 

エクセス方式とは?

損害が免責金額を超過した場合、その超過した部分のみ補償する方式をエクセス方式といいます。エクセス方式の免責金額が5万円の場合、具体的には下記のような保険金の支払いとなります。

損害額が3万円の場合

損害額が免責金額の5万円を超えていないので、保険金は支払われません。

損害額が30万円の場合

損害額が免責金額の5万円を超えているので、免責金額を超えている損害額部分の25万円が保険金として支払われます。

30万円(損害額)-5万円(免責金額)=25万円(支払保険金)

 

フランチャイズ方式とは?

損害額が免責金額未満の場合は補償しないが、免責金額を超えた場合、免責金額の減額なく損害の全額を補償する方式をフランチャイズ方式といいます。

フランチャイズ方式の免責金額が20万円の場合、具体的には下記のような保険金の支払いとなります。

損害額が3万円の場合

損害額が免責金額の20万円を超えていないので、保険金は支払われません。

損害額が30万円の場合

損害額が免責金額の20万円を超えているので、損害額の全額である30万円が支払われます。

フランチャイズ免責とは聞きなれない言葉かもしれませんが、以前の火災保険の風災補償は、損害額が20万円以上にならないと保険金を支払わないフランチャイズ免責方式でした。しかし、最近の火災保険は、風災の免責金額についても他の補償と同じように免責金額を設定できる商品が主流になっています。

 

 

 

4.免責金額の設定は、保険料の節約になる?

免責金額を設定すると、保険金の支払額が減るのであれば、免責金額を設定するのは損ではないかと考える方がいると思います。

免責金額の設定にどんなメリットがあるのでしょうか?

実は、免責金額を設定すると、保険料が安くなります。免責金額を上げるほど保険料は安くなります。なお、保険会社によって下記の通り設定できる免責金額は異なる場合があります。

損保ジャパン日本興亜
0円※ 1万円 3万円 5万円 10万円
※「不測かつ突発的な事故」のみ免責金額(自己負担額)が1万円となります。

東京海上日動
0円※ 5千円 3万円 5万円
※「破損等リスク」のみ免責金額(自己負担額)が5千円となります。

三井住友海上
建物:1万円 2万円 3万円 5万円 10万円
家財:1万円 2万円 3万円 5万円

 

免責金額設定時の保険料例

ここで、免責金額を設定した場合の保険料例をご紹介します。

試算条件(平成30年5月現在)
保険会社:東京海上日動
商品:『トータルアシスト 住まいの保険』
所在地:東京都
補償パターン:戸建て充実パターン
構造級別:T構造(鉄骨造)
建物保険金額:3,000万円
保険期間:1年間

免責金額(自己負担)0円
年間保険料25,070円

免責金額(自己負担)5千円
年間保険料24,910円(-160円)

免責金額(自己負担)3万円
年間保険料23,920円(-1,150円)

免責金額(自己負担)5万円
年間保険料23,210円(-1,860円)

車両保険(自動車保険)の免責金額設定と比較すると、節約効果は低いように思えます。もともとの保険料が大きな額ではないので、節約額は小さく感じますが、5万円の免責金額設定で約7%の割引です。
免責金額(自己負担額)を設定して火災保険料を節約

 

 

 

5.火災保険に免責期間はある?

火災保険契約後に一定期間の補償されない期間(免責期間)があると勘違いされている方がいますが、火災保険に免責期間は一切ありません。補償が開始された瞬間から補償範囲内の損害に対しての補償が開始されます。

 

 

 

まとめ

免責(事由)と免責金額についてご理解頂けたでしょうか。

火災保険は補償範囲の広い商品ですが、免責(保険金支払対象外)となる損害もあるので、その点を理解し、不必要に現金を自宅に保管しないなどの日常生活での備えをして頂ければと思います。

また、免責金額(自己負担額)の設定は、保険料の節約にもつながるので、一度、保険料の一括見積もり(無料)利用し、各社の保険料を比較してみてはどうでしょうか?
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