「現金が火災で燃えてしまった場合、家財の火災保険で補償されるのか?」とういう質問を頂くことがあります。皆さんはどう思われるでしょうか?
今回は火災保険の現金等に対する補償についてご紹介します。
1.現金が燃えてしまったら・・・
冒頭の質問ですが、現金が火災で燃えてしまっても残念ながら火災保険では補償されません。
また、現金は地震保険でも補償の対象外となっています。地震が原因で火災が発生し現金が燃えてしまった場合や津波が発生し自宅に保管していた現金が流されてしまった場合も地震保険では補償されません。
ただし、現金が火災で燃えてしまった場合は補償されませんが、盗難された場合は損害額の全額ではありませんが、火災保険で補償されます。
一方、地震保険の場合には盗難自体が補償対象外となっていますので、地震等が発生した際に現金を盗られても補償の対象にはなりません。
地震保険の補償内容等の詳細については、下記記事をご参照ください。
『地震保険について抑えておくべき5つのポイント』
2.現金等の盗難に対する補償
空き巣や泥棒に入られて、現金が盗難に遭ってしまった場合や通貨、預貯金証書等が盗難された場合、家財を対象とする火災保険に加入していれば、1回の事故につき、1敷地内ごとに下記の通りの補償があります。
1)通貨、小切手、印紙、切手、乗車券等についての盗難
補償限度額
損保ジャパン日本興亜:20万円
三井住友海上:30万円
2)預貯金証書(通帳および預貯金引出し用の現金自動支払機用カードを含む)の盗難によって現金が引き出される損害が生じた場合
補償限度額
損保ジャパン日本興亜:200万円
三井住友海上:300万円
上記の通り、補償限度額は保険会社によって異なる場合があります。
現金等は、火災等の場合は補償されず、盗難のみの補償です。また、盗難の場合も補償額に上限があるので、自宅に現金を保管するのは、得策ではないでしょう。
『タンス預金は安全?危険?』
3.その他の補償対象外の家財は?
実は現金等以外にも火災保険の補償対象にならない家財が下記の通りあります。
●船舶、航空機、自動車、バイク(総排気量125cc以下の原動機付自転車を除く)
●ラジコン
●携帯電話等の携帯式通信機器およびこれらの付属品
●眼鏡、コンタクトレンズ、補聴器、義歯または義肢
●動物および植物等の生物
●通貨、小切手、株券、手形その他の有価証券、印紙、切手、預貯金証書、クレジットカード、プリペイド カード、ローンカード、電子マネー、乗車券 等
●証書(運転免許証、パスポートを含む)、帳簿、稿本、設計書、図案、プログラム、データ 等
火災・爆発等による自動車の損害については、自動車保険(車両保険)で車両保険金額を限度に補償されます。但し、エコノミー型の車両保険の場合、火災・爆発の損害が補償されない「車対車」タイプの契約もありますので、ご注意ください。
車両保険の種類や補償範囲については、下記記事で詳細にご説明していますので、ご参照ください。
『車両保険の補償を絞って保険料節約!?(車両保険の種類)』
4.破損・汚損の補償対象外の家財
不測かつ突発的な事故(破損・汚損等)については、下記のものに生じた損害は補償されませんので、ご注意ください。
●義歯
●眼鏡
●携帯電話
●携帯式電子機器(ノートパソコン、携帯ゲーム機等)
●自転車、原動機付自転車(総排気量125cc以下)
●ヨット・モーターボート
●動物・植物 など
ノートパソコンについては、損保ジャパン日本興亜や東京海上日動の火災保険では、破損・汚損の損害は補償対象外となります。一方、あいおいニッセイ同和や三井住友海上の火災保険であれば、ノートパソコンの破損・汚損の損害も補償対象になります。
『デスクトップ型は補償対象、ノートパソコンは補償対象外!?』
スマホ等の携帯やタブレットは火災保険の補償対象になりませんので、メーカーの保証を検討する必要があります。また、スマートフォンやタブレットは、火災保険に特約として付帯できる携行品(持ち出し家財補償)特約についても補償対象外ですので、ご注意ください。
携行品特約の詳細については、下記記事をご参照ください。
『火災保険に携行品特約を付けるメリットは?』
まとめ
火災保険は補償対象となる損害の範囲は広いですが、補償対象とならない損害や補償対象とならない家財等がありますので、ご注意ください。
火災保険の補償内容等の詳細については、下記記事をご参照ください。
『火災保険を契約する際に抑えておくべき8つのポイント』
最終更新日:2017年8月9日
No.68