子供が免許取り、自動車を運転するようになると自動車保険の値上がりが気になります。特に21歳未満のお子さんの場合には、年齢条件を「全年齢補償」にする必要があり、保険料が大幅に上がります。
例えば、19歳の子供が免許を取って自宅の車を運転する場合、同居しているのであれば、原則として年齢条件を子供に合わせて「全年齢補償」に設定する必要があるので、保険料が高くなってしまいます。
実は、同居の子供が車を運転する場合に保険料を抑える特約(子供特約)がある保険会社があります。同居の子供が自動車を運転する場合に保険料の上昇を抑える子供特約について解説したいと思います。
子供特約とはどのような内容で、どの程度、保険料を抑えることができるかについてご紹介します。
なお、子供が下宿等をしていて別居の場合は、年齢条件は適用されませんので、子供に年齢条件を合わせる必要はありません。
『別居の未婚の子と自動車保険(年齢条件や運転者限定特約の適用範囲は?)』
1.自動車保険に「子供特約」がある保険会社
子供特約とは、本来の年齢条件とは別に子供の年齢条件を設定することにより、本来の年齢条件を子供の年齢に合わせるよりも保険料を安くできる特約です。
昔は東京海上日動、損保ジャパン日本興亜、三井住友海上などの大手損保会社にもあった特約ですが、今ではほとんどの会社でこの特約は廃止となり、無くなりました。2015年9月までは、SBI損保と三井ダイレクト損保にも子供特約がありましたが、両社とも2015年10月で同特約を廃止しています。
現在でも子供特約がある保険会社はセゾン自動車火災保険のみです。
■セゾン自動車火災保険の子供特約
正確にはセゾン自動車火災保険に「子供特約」はなく、運転者の範囲を「運転者限定なし特約(同居の子年齢条件設定型)」に設定し、同居の子供の中で一番若い方の年齢を申告します。
記名被保険者(主に車を使用する方)の年齢とは別に同居の子供の年齢を申告することにより、「子供特約」と同様に子供に年齢条件を合わせるより安い保険料で自動車保険に加入することが可能です。
ただし、指定(申告)した年齢未満の同居の子供が起こした事故については、補償対象外となりますので、注意が必要です。
(出典:セゾン自動車火災保険)
尚、全労済のマイカー共済には、子供特約があり、下記子供専用の年齢条件が設定できます。
・26歳以上
・21歳以上補償
・年齢を問わず補償
子供の範囲は下記の通りです。
・主たる被共済者の同居の子
・主たる被共済者の配偶者の同居の子
・主たる被共済者の別居の未婚の子
・主たる被共済者の同居の子の配偶者
・主たる被共済者の配偶者の同居の子の配偶者
・主たる被共済者の配偶者の別居の未婚の子
マイカー共済は保険会社の自動車保険とは異なり、「別居の未婚の子」にも年齢条件が適用される点に注意が必要です。
一般的な自動車保険では、別居の子供(未婚・既婚を問わず)に年齢条件は適用されません。一方、マイカー共済の場合には、「別居の既婚の子」には年齢条件は適用されませんが、「別居の未婚の子」まで年齢条件が適用されます。
よって、別居している若い未婚の子供が帰省して車を運転するという場合には、「子供特約」をセットし、子供専用の年齢条件を設定する必要があります。
なお、未婚とは結婚歴がないことをいいます。よって、結婚歴があり離婚して別居している子供については、「別居の未婚の子」とは言わないのでご注意ください。
『別居の未婚の子を正確に理解していますか?』
2.「子供特約」の保険料試算例
子供特約があることで、どの程度の保険料節約になるのか、子供特約がある『おとなの自動車保険」と、子供特約がない代理店型自動車保険の試算を比較してみたいと思います。
・年齢条件に「子供特約」がある場合
年齢条件に「子供特約」がある『おとなの自動車保険』の保険料試算例は下記の通りです。
契約者(親):55歳
子供(同居):18歳
【試算条件】
自動車:自家用軽四輪乗用車
等級:14等級
事故有係数適用期間:0年
使用目的:日常・レジャー使用
免許色:ブルー
対人賠償:無制限
対物賠償:無制限
車両保険:100万円 免責0-10万円
人身傷害保険:3,000万円
年間走行距離:5,000㎞以下
主な使用地:東京都
インターネット割引:1万円
証券不要割引:600円
【同居の子供が運転しない場合】
記名被保険者年齢:55歳
同居の子供運転:なし
年間保険料:40,030円
【同居の子供(18歳)が運転する場合】
記名被保険者年齢:55歳
同居の子供運転:あり(18歳)
年間保険料:63,810円
同居の子供が運転すると、子供特約があっても保険料は約1.6倍になります。
なお、『おとなの自動車保険』は子供の年齢も1歳刻みで保険料が変わります。代理店型の自動車保険の場合は、年齢条件が『全年齢補償』の次は『21歳以上補償』となるので、19歳、20歳で試算した場合、代理店型の自動車保険と比較して『おとなの自動車保険』のお得感が更に上がります。
【同居の子供(19歳)が運転する場合】
記名被保険者年齢:55歳
同居の子供運転:あり(19歳)
年間保険料:62,140円
【同居の子供(20歳)が運転する場合】
記名被保険者年齢:55歳
同居の子供運転:あり(20歳)
年間保険料:60,490円
・年齢条件に「子供特約」がない場合
大手損保会社の自動車保険には、「子供特約」がないので、下記試算例のように同居の子供に年齢条件を合わせる必要があります。
契約者(親):55歳
子供(同居):18歳
【試算条件】
自動車:自家用軽四輪乗用車
等級:14等級
事故有係数適用期間:0年
使用目的:日常・レジャー使用
免許色:ブルー
対人賠償:無制限
対物賠償:無制限
車両保険(一般条件):100万円 免責0-10万円
人身傷害保険:3,000万円
記名被保険者年齢:55歳
【同居の子供が運転しない場合】
年齢条件:35歳以上補償
年間保険料:69,920円
【同居の子供(18歳)が運転する場合】
年齢条件:全年齢補償
年間保険料:157,330円
同居の子供が運転すると、保険料は約2.2倍になります。
年齢条件に「子供特約」がある『おとなの自動車保険』と比較すると、子供が運転しない時の保険料も差が大きいですが、子供が運転する場合には更に保険料差が大きくなります。
代理店型の自動車保険に比べて『おとなの自動車保険』の方が保険料の上がり方が抑えられていることが分かります。
3.1日単位の自動車保険の利用
同居の子供が運転する場合で、運転頻度が低い場合は、1日単位の自動車保険への加入を検討するのも1つの方法です。
東京海上日動は1日500円から加入できる自動車保険(「ちょいのり」)を販売しています。また、三井住友海上も『1DAY保険』(24時間単位型自動車運転者保険)を販売しています。
『1日単位で加入できる自動車保険とは?|各社の比較や加入時の注意点』
頻繁に子供が自動車を利用する場合は、1日単位の自動車保険の方が割高になりますが、車の使用頻度が低い場合は検討する価値はあります。
子供の運転頻度による1日単位の自動車保険の加入、子供に年齢条件を合わせる場合の比較を下記記事で行っていますので、ご参照ください。
『若い子供が免許を取った場合の自動車保険節約術』
ドコモは東京海上日動を引受会社とする1日自動車保険を販売しています。携帯から加入可能で、保険料も携帯料金と一緒に請求されて便利です。
4.別居の子供には年齢条件を合わせる必要はない!
冒頭でも少し触れましたが、自動車保険の年齢条件は、「別居の子供」に合わせる必要はありません。年齢条件を合わせる必要があるのは、同居の子供です。
例えば、年齢条件が「35歳以上補償」の自動車保険の車に、21歳の別居の子供が乗って事故を起こしても、別居の子供に年齢条件は適用されないので、補償されます。
よって、年齢条件の適用される範囲を勘違いして別居の子供に年齢条件を合わせている場合は、保険料をムダに支払っていることになるので、ご注意ください。
なお、今回ご紹介したセゾン自動車火災保険の子供特約も同居の子供が車を運転する場合の特約です。別居の子供が運転する場合には「運転者限定なし特約(同居の子年齢条件設定型)」に設定する必要はありませんので、ご注意ください。
まとめ
同居のお子さんが運転する場合で保険料が急激に上がる場合には、複数社の見積もりを比較してみられてはいかがでしょうか?下記サービスは無料で利用可能です。子供特約のあるセゾン自動車火災保険の自動車保険も見積可能です。
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最終更新日:2019年1月27日
No.150