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自動車保険が高くなった!?という場合に確認すべき4つのポイント

自動車保険の満期案内を受け取り、事故(保険金請求)もしていないのに次契約の保険料が高いと思われたことはないでしょうか?自動車保険は前契約に事故(保険金請求)が無くても以下でご紹介する要因で次契約の保険料が上がることがあります。

では、どのような要因で事故(保険金請求)も無いのに自動車保険の保険料が上がるのでしょうか?

今回は前契約の保険期間中に事故がない場合でも次契約の保険料が上がる要因をいくつかご紹介したいと思います。

1.自動車保険の改定があった

自動車保険の改定があると保険料が上がる場合があります。ここ数年で自動車保険は値上げとなる改定が何度も行われてきました。

前契約の満期から今回の満期までの間に自動車保険の改定があった場合、保険料が値上げになっている可能性があります。前契約に事故(保険金請求)がなくても、また前契約と全く同条件でも保険料率が上がることにより、保険料が値上げされることがあります。

 

 

 

2.新車割引の適用がなくなった

新車割引の適用がなくなると保険料が高くなります。満期前の契約と比べて、満期更改後契約に新車割引の適用がなくなっていないかを確認してみください。

新車割引とは?
新車割引とは、自動車保険契約の始期日の属する月が、契約車両の初度登録(初度検査)年月の翌月から起算して25ヶ月以内の場合に適用される割引です。新車割引が適用される用途車種は自家用普通乗用車、自家用小型乗用車、自家用軽四輪乗用車です。

但し、保険会社によっては自家用軽四輪乗用車には新車割引が適用されない場合があります。
新車割引がない!?

新車割引の割引率は保険会社によって異なりますが、ある保険会社の割引率は下表の通りです。

対人賠償 対物賠償 人身傷害 車両保険
普通・小型 10%割引 6%割引
軽四輪 7%割引 2%割引 21%割引 1%割引

実際に新車割引有と新車割引無で試算した結果は以下の通りです。

【試算条件】
自動車:自家用軽四輪乗用車
等級:14等級
事故有係数適用期間:0年
対人賠償:無制限
対物賠償:無制限
人身傷害保険:3,000万円(搭乗中のみ補償)
車両保険:100万円(一般条件) 免責0-10万円
年齢条件:35歳以上
記名被保険者年齢:35歳
免許色:ブルー

新車割引:有
年間保険料:69,610円

新車割引:無
年間保険料:72,080円

上記試算例の場合、新車割引が適用されなくなるだけで、保険料が年間約2,500円上がります。

新車割引は新車購入後すぐに自動車保険に加入すれば、最長3年間適用されます。新車割引の適用期間が過ぎれば、他の契約条件が同じでも上記の通り、保険料が上がる要因となります。

 

 

3.記名被保険者の年齢が上がった

記名被保険者とは、主に車を使用する方のことですが、その方の年齢が上がると保険料が上がる場合があります。

記名被保険者が個人で、運転者の年齢条件が下記条件の契約の場合は年齢条件とは別に記名被保険者の年齢に応じた料率区分(記名被保険者料率区分)が設けられています。

「26歳以上補償」
「30歳以上補償」
「35歳以上補償」

年齢条件は設定年齢が上がることにより、保険料が安くなりますが、記名被保険者年齢別料率については、年齢が高齢になると保険料が上がります。
記名被保険者の年齢によって保険料が異なる?

記名被保険者年齢別料率区分は記名被保険者の始期日時点の年齢に応じて以下のように区分されています。
「29歳以下」
「30歳~39歳」
「40歳~49歳」
「50歳~59歳」
「60歳~69歳」
「70歳以上」

記名被保険者の始期日時点の年齢によって保険料が以下のように異なります。

【試算条件】
自動車:自家用軽四輪乗用車
等級:14等級
事故有係数適用期間:0年
対人賠償:無制限
対物賠償:無制限
人身傷害保険:3,000万円(搭乗中のみ補償)
車両保険:100万円(一般条件) 免責0-10万円
年齢条件:35歳以上
免許色:ブルー

記名被保険者年齢29歳以下
年間保険料:74,240円

記名被保険者年齢30歳~39歳
年間保険料:72,080円

記名被保険者年齢40歳~49歳
年間保険料:71,560円

記名被保険者年齢50歳~59歳
年間保険料:72,070円

記名被保険者年齢60歳~69歳
年間保険料:75,680円

記名被保険者年齢70歳以上
年間保険料:79,810円

上記試算例の場合、保険料が一番安くなる40歳~49歳の方と保険料が一番高くなる70歳以上の方の保険料を比べると、年間で8,000円以上も高くなることが分かります。

また、例えば、59歳だった方が満期前に60歳になると、満期更改後の自動車保険保険料は年間約3,600円も高くなります。年齢が1歳違うだけで、これだけの差が発生します。

 

 

 

4.料率クラスが上がった

契約の対象となる車の型式別料率クラスが上がっている場合、保険料が高くなる可能性があります。

型式別料率クラスとは?
「型式別料率クラス」とは自家用普通乗用車、自家用小型乗用車について型式毎に設定された保険料率です。軽自動車には料率クラスは設定されていませんが、数年後に軽自動車にも型式別料率クラスが導入される予定です。

クラスは保険種類(対人賠償保険、対物賠償保険、人身傷害補償保険・搭乗者傷害保険、車両保険)毎に定められていて、1~9の9段階です。保険金支払の実績が少ない型式ほどクラスは小さくなり、逆に保険金支払の実績が多い型式ほどクラスは大きくなります。

保険料は1クラスが最も安く、9クラスが最も高くなります。

尚、「型式別料率クラス」は損害保険料率算出機構が決定したものを各保険会社で利用しているので、保険会社によって異なることはありません。

「型式別料率クラス」は直近の事故発生状況を反映し、より適正かつ公平な保険料負担とするため、毎年1回、1月1日付けで損害保険料率算出機構にて見直しを行います。事故の少ない型式は1クラス低いクラスへ、事故の多い型式は1クラス高いクラスへ変更します。従って、クラスが変更された型式の車の継続契約では、契約の事故の有無に関わらず、保険料が変更となります。

クラスが変更となる補償の種類や数により異なりますが、最大で約20%の保険料アップまたはダウンとなります。

実際に型式別料率クラスが上がることによってどの程度保険料に影響するのかを試算してみました。

【試算条件】
自動車:自家用普通乗用車
型式別料率クラス:車両5 対人5 対物5 傷害5
等級:14等級
事故有係数適用期間:0年
対人賠償:無制限
対物賠償:無制限
人身傷害保険:3,000万円(搭乗中のみ補償)
車両保険:100万円(一般条件) 免責0-10万円
年齢条件:35歳以上
記名被保険者年齢:35歳
免許色:ブルー
年間保険料:113,030円

型式別料率クラス:車両6(+1) 対人5 対物5 傷害5
年間保険料:125,480円(差額+12,450円)

型式別料率クラス:車両5 対人6(+1) 対物5 傷害5
年間保険料:115,870円(差額+2,840円)

型式別料率クラス:車両5 対人5 対物6(+1) 傷害5
年間保険料:118,600円(差額+5,570円)

型式別料率クラス:車両5 対人5 対物5 傷害6(+1)
年間保険料:114,030円(差額+1,000円)

車両保険の料率クラスが上がると保険料への影響が一番大きいことが分かります。ご自身が安全運転していても同じ型式に乗っている方の事故により保険金の支払いが増えると、保険料が上がる要因になります。

型式別料率クラスの詳細については、下記記事をご参照ください。
車によって自動車保険の保険料が違う!?

 

 

 

まとめ

事故(保険金請求)もしていないのに満期更改後の保険料が高くなっているという場合は、上記のポイントを確認してみてください。上記のどれかに当てはまっている可能性があります。

保険料が高いと思われる場合は、保険料一括見積もりで複数社の保険料を比較されてはいかがでしょうか?

保険会社を変えることにより保険料負担が軽減される可能性があります。特に自動車保険が改定され、保険料が高くなっている場合には、改定が無かった保険会社に変更すると、保険料が下がる可能性があります。

最終更新日:2017年9月6日
No.265

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