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保険期間の途中でも自動車保険の年齢条件は変更できる?

自動車保険で忘れがちな契約内容の変更があります。それは、年齢条件の変更です。年齢条件の設定は自動車保険において非常に重要となっていて、年齢条件の設定を誤ると事故の際に補償されないとう事態になりかねません。また、逆に年齢条件の設定誤りによってムダに保険料を支払っているケースもあります。

今回は、忘れがちな年齢条件の変更についてご紹介します。どのよなケースで年齢条件の変更を忘れてしまうのでしょうか?実際にあった事例をご紹介しながら解説します。年齢条件の設定や変更の際に参考にして頂ければと思います。

1.年齢条件を下げる変更は忘れない!?

年齢条件を下げる変更を忘れる方はあまりいません。

例えば、年齢条件「35歳以上補償」の自動車保険に加入しているご家庭で、同居のお子さんが20歳で免許を取り、運転するようになったとします。その場合、年齢条件を「全年齢補償」にする必要があるとことは、多くの方がご理解されています。

この変更を忘れると、お子さんが運転している際に事故を起こすと、補償されないということになるので、年齢条件を下げる変更を忘れることは少ないようです。

 

 

 

2.年齢条件を上げる変更は忘れがち

一方、上記のお子さんが保険期間の途中で21歳になったら、年齢条件を「全年齢補償」から「21歳以上補償」に変更できることを知らない方が非常に多いように感じます。

「保険期間中に年齢条件は変更できないでしょ?」というご質問をされ、「満期が来たら年齢条件を変更します」という方が結構いらっしゃいます。

実は年齢条件を上げる変更も保険期間の途中で可能です。

 

 

 

3.保険料は返金される

保険期間の途中でも上記のような年齢条件の変更ができ、変更すれば変更後の残りの期間分の差額保険料が返戻(返金)されます。

例えば、下記の通り「年齢を問わず補償」と「21歳以上補償」では保険料に約6万円の差があります。また、「年齢を問わず補償」と「35歳以上補償」では、約9万円も保険料に差があります。

 

試算条件(平成27年5月時点)
自動車:自家用軽四輪乗用
等級:14等級
事故有係数適用期間:0年
使用目的:日常・レジャー使用
免許色:ブルー
対人賠償:無制限
対物賠償:無制限
車両保険金額(一般条件):100万円 免責0-10万円
人身傷害保険:3,000万円

年齢条件全年齢補償
年間保険料:157,330

年齢条件21歳以上補償
年間保険料:99,130円

年齢条件35歳以上補償
記名被保険者:50歳
年間保険料:69,920円

保険期間の途中に年齢条件を「全年齢補償」から「21歳以上補償」や「35歳以上補償」に変更すれば、保険料が下がり、その差額が残りの保険期間分返還されます(一括払いの場合)。保険料が月払いの場合、年齢条件変更後の月払い保険料が変更となり、安くなります。

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4.年齢条件の変更を忘れがちな具体例

保険期間の途中で年齢条件を上げることが可能なのに変更を忘れてしまった事例を2つご紹介します。

 

1)お子さんが別居する

●運転者
父親51歳
母親48歳
子供25歳(転勤により別居予定)

●年齢条件
「21歳以上補償」

お子さんが転勤になり、別居することになった場合、年齢条件を「35歳以上補償」等に上げることが可能です。

お子さんが休みに帰省して車を運転することがあるから年齢条件はそのままにしておく必要があると勘違いされている方がいますが、別居しているお子さんに年齢条件は適用されません!

上記事例の場合、お子さんの別居を契機に年齢条件を「21歳以上補償」から「35歳以上補償」に変更して問題ありません。

年齢条件が適用される方の範囲
年齢条件が適用される方の範囲は下記の通りです。

(1)記名被保険者(主に車を使用する方)
(2)記名被保険者の配偶者
(3)記名被保険者または配偶者の同居の親族
(4)上記いずれかの方の業務に従事中の使用人
(ソニー損保など、(4)の方が含まれない保険会社もあります)

年齢条件の設定については、下記記事で詳細をご説明しています。
年自動車保険の年齢条件設定方法とは?確認すべきべき4つのポイント

 

2)夫婦のどちらかが保険期間中に35歳になる

●運転者
夫38歳
妻34歳(保険期間の途中で35歳になる)

●年齢条件
「26歳以上補償」

上記夫婦の奥さんが保険期間中に35歳の誕生日を迎える場合、奥さんの誕生日に年齢条件を「26歳以上補償」から「35歳以上補償」に変更することが可能です。

尚、下記の通り保険会社によって設定できる年齢条件が異なる場合がありますので、ご注意ください。

SBI損保
年齢を問わず補償
21歳以上補償
26歳以上補償

チューリッヒ
全年齢補償
21歳以上補償
26歳以上補償
30歳以上補償

ソニー損保
年齢を問わず補償
21歳以上補償
26歳以上補償
30歳以上補償

東京海上日動
年齢を問わず補償
21歳以上補償
26歳以上補償
35歳以上補償(トータルアシストのみ)

損保ジャパン日本興亜
年齢を問わず補償
21歳以上補償
26歳以上補償
35歳以上補償(THEクルマの保険のみ)

 

 

 

5.保険会社は教えてくれない

契約時等に記名被保険者等の生年月日を保険会社は確認しますが、保険期間中に上記のように年齢条件を上げられる可能性があっても、保険会社から教えてくれることはありません。

親切な代理店であれば教えてくれる可能性はあります。

しかし、通販(ダイレクト)型の自動車保険に加入している場合はもちろん、代理店型の自動車保険に加入している場合もやはり、年齢条件については、自分で意識しておくことが必要でしょう。

 

 

 

まとめ

保険期間の途中に年齢条件が上げられないと勘違いされている方は本来よりも高い保険料を支払っていることになりますので、損をすることになってしまいます。

保険期間中に年齢条件を変更できる場合は、保険会社又は代理店にご連絡すれば、少しでも保険料を節約することが可能です。

尚、保険期間の途中だけなく、満期更改で契約の継続手続きをする際にも年齢条件の設定が正しいかを確認するようにして下さい。漫然と契約を継続すると、年齢条件を上げられるのに、そのままの年齢条件で継続してしまったという事例もあります。

最終更新日:2017年10月5日
No.35