いざという時のために生命保険や医療保険など加入しているが、保険金や給付金を請求する機会は少ないため、万が一の時にどう手続きするべきか迷ってしまうこともあると思います。
・まず、どこに連絡すべきか?
・誰が請求できるのか?
・請求に必要となる書類は?
・請求時に保険証券は必要か?
・いつまでに請求するべきか?
・保険金や給付金の請求権に時効はあるのか? など
一般の方には疑問に思う点が多いと思います。
今回は、一般の方が疑問に感じる点や不安に思う、保険金・給付金の請求の流れや手続きのタイミングについて解説します。
1.保険金・給付金の請求手続きの流れは?
ケガや病気で入院した、手術をした、または、被保険者(保障の対象者)が亡くなったという場合には、まず、保険会社のコールセンターや代理店、営業職員に連絡してください。
保険金や給付金の支払対象になるかどうか疑問があるという際にも遠慮せずに保険会社のコールセンター等に連絡をし、保険金や給付金の支払対象となるか確認してください。
案外、こんな場合も支払対象になるのというケースもあります。一般の方が自ら判断してしまうと、保険金や給付金の請求がもれてしまう可能性があるので、ちょっとでも気になる場合には、保険会社や代理店などに確認するようにして頂ければと思います。
保険会社や代理店に確認し、支払対象という判断があれば、その後の手続きの案内があります。支払対象であれば、保険金の請求書類が保険会社や代理店から送付されることになります。
保険会社や代理店に連絡することにより、ご自身が考えている以外の保険金や給付金を請求できるケースもあります。そのような場合には、保険会社や代理店から案内があります。
2.保険金・給付金の請求手続きに診断書は必要?
保険金や給付金を請求する際の必要書類にはどのようなものがあるのでしょうか?保険金や給付金を請求する際に必要となる書類は下記の通りです。
【死亡保険金の場合の例】
・死亡保険金請求書
・死亡診断書 など
【入院、手術給付金の場合の例 】
・給付金請求書
・診断書(各種証明書) など
病院で医師に診断書を書いてもらうと5,000円程度の費用がかかります。診断書の取得費用は請求者の負担となります。仮にお金を払って診断書を書いてもらったにもかかわらず、保険金や給付金が支払われなかった場合、診断書の費用が保険会社から支払われる場合があります。
保険金や給付金の支払対象になるか微妙な場合で診断書を書いてもらう際には、保険金や給付金が支払われない場合、その診断書代が保険会社から負担してもらえるかも確認されるといいでしょう。
なお、診断書は保険会社の所定の診断書を使用するようにしてください。病院の書式の診断書だと保険会社が必要としている内容(項目)が記載されていない場合があり、再度、保険会社所定の診断書を書いてもらう手間が発生することがあります。
スポンサーリンク
3.診断書が不要な場合もある?
上記の通り、病院で診断書を書いてもらうには5,000円程度の費用がかかりますが、診断書なしで給付金を受け取ることができる場合もあります。
診断書の代わりに医療機関が発行する領収書や診療報酬明細書、退院証明書などを提出することで、給付金を支払う保険会社が増えてきています。
例えば、ライフネット生命では、原則、医師の診断書の提出は不要としています。ただし、全ての保険会社で診断書を不要としているわけではありません。保険会社ごとに診断書の提出が不要となる条件は異なる場合がありますので、ご注意ください。
診断書なしで保険金や給付金が支払われれば、診断書の費用も不要になりますし、診断書を書いてもらうには時間がかかります。診断書の記入を依頼してから医師が診断書を記入するまでに1ヶ月程度かかることもあります。その時間が不要となるので、保険金・給付金請求から支払までの期間が短縮され、契約者や被保険者にとってメリットがあります。
4.保険証券を紛失していると保険金は支払われない?
保険証券がないと保険金や給付金を支払ってもらえないと思われている方もいますが、保険証券を紛失していても保険金や給付金は受け取れます。
確かに保険金や給付金の請求時に保険証券が手元にあれば、証券番号を保険会社や代理店に伝えることができ、請求手続きをスムーズに進めることができます。
しかし、証券番号が分からなくても、契約者の氏名、生年月日、住所、電話番号などで、契約を探すことが可能です。
よって、証券が手元になくても保険会社に連絡し、請求手続きを行って下さい。
上記の通り、保険証券を紛失しても保険金や給付金を請求できますが、証券には保障内容など重要な事項が記載されていますので、再発行の手続きを別途行うようにしてください。
『保険証券を紛失しても解約できる?保険金は支払われる?』
5.保険金や給付金が支払われるタイミングは?
保険金や給付金は請求してからどれぐらいのタイミングで受け取れるのでしょうか?
多くの保険会社は、原則、請求に必要なすべての書類が保険会社に到着した日の翌営業日から5営業日以内に保険金や給付金を支払うとしています。
ただし、必要書類の不足など不備が発生した場合や保険金や給付金の支払に事実確認が必要となった場合、5営業日を超えて時間がかかるケースがあります。
なお、ソニー生命やジブラルタ生命のように保険金請求日や、その翌日に保険金を支払うサービスを提供している会社もあります。
『死亡保険金を請求したその日に受け取れる!?』
6.保険金・給付金の請求に期限や時効はある?
生命保険や損害保険の保険金や給付金の請求権は3年間で時効となり、消滅します。保険法95条に保険金を請求する権利は3年間で時効によって消滅するとなっています。
保険法 第95条(消滅時効)
保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第63条又は第92条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、3年間行わないときは、時効によって消滅する。【強行規定】
ただし、保険金・給付金等の請求を忘れていて、3年が経過していたとしても諦めずに保険会社に問い合わせをしてみてください。
生命保険会社のHPには、保険金・給付金の請求権の時効は3年という記載はありますが、3年を経過した際には問合せ窓口に連絡してくださいという注意書きがあります。
保険金や入院給付金等の請求を忘れて、何年経過していても診断者などの書類さえ調えば保険金・給付金を支払う保険会社もありますので、まずは、保険会社に問い合わせてみてください。
保険金や給付金の請求タイミングは時効である3年の間で行えばいいことになりますが、請求を忘れてしまう場合もありますので、可能な限り早く請求手続きした方がいいのは間違いありません。
『保険金・給付金請求権に時効や期限はあるのか?』
7.保険金・給付金の請求もれが発生しやすい事例
保険金の不払い問題以来、保険会社は保険金の支払いもれがないように努めています。しかし、被保険者や受取人等から保険金や給付金の請求手続きがもれてしまうと保険会社も支払いようがない事例があります。
保険金や給付金の請求がもれてしまう可能性がある主な事例は以下の通りです。
・複数の契約を複数の保険会社、代理店で契約している場合
・亡くなる前に入院や手術などをしていた場合
・入院せずに手術をした場合 など
保険金の請求もれがあるのではないかと感じることがあれば、遠慮せずに保険会社や代理店に問い合わせてみてください。
保険金、給付金等の請求もれが発生しやすい事例の詳細については、下記記事をご参照ください。
『保険金、給付金等の請求手続きもれが発生しやすい事例』
まとめ
保険金や給付金を請求できるのではないかと少しでも思う場合には、必ず保険会社や代理店に連絡するようにしてください。
保険はいざという時に給付金や保険金を受け取るために加入しています。
確認を嫌がるような代理店であれば、付き合いを止めた方がいいでしょう。アフターケアこそが保険の大事な部分で、保険に契約する時だけいい顔をする代理店(営業)であれば、頼りにはなりません。
No.335