生命保険には、いつから加入すべきでしょうか?生命保険に加入しようと思いながら、必要性をあまり感じず、加入をためらっている方もいらっしゃるでしょう。
「若い時に生命保険に加入した方が得」とよく聞きますが、本当でしょうか。どのような点で若い時に加入した方が得といえるのでしょうか?
「若い時に生命保険に加入した方が得」は、保険の営業トークでよく聞く言葉ですが、今回は20歳、30歳、40歳、50歳で同じ保障内容の生命保険に加入した場合のシミュレーションを比較し、検証してみます。
生命保険の加入を検討している方は参考にして頂ければと思います。
1.加入年齢が若い方が保険料は安い
生命保険は加入する時の年齢が若いほど保険料が安くなります。ある保険会社の加入年齢ごとの終身保険の保険料は下表の通りです。
【試算条件】
商品:終身保険
被保険者:男性
保険金額:500万円
払込期間:60歳払済
契約年齢 | 月額保険料 |
---|---|
20歳 | 8,400円 |
30歳 | 11,540円 |
40歳 | 17,870円 |
50歳 | 36,180円 |
全く同じ保障内容であるにもかかわらず、20歳で加入した場合の月額保険料と、50歳で加入した場合の月額保険料を比べると4倍以上違います。上記の比較表を見る限り、1ヶ月に支払う保険料だけで比較すると契約年齢が1歳でも若いうちに加入した方がいいことになります。
2.加入年齢が若い方が保険料の支払総額も少ない
1回分の支払い保険料は加入年齢が若い方が安くなることは容易に想像できると思うのですが、保険料の払込期間中に支払う保険料総額についてはどうでしょうか。
契約年齢 | 月額保険料 | 総払込保険料 |
---|---|---|
20歳 | 8,400円 | 4,032,000円 |
30歳 | 11,540円 | 4,154,400円 |
40歳 | 17,870円 | 4,288,800円 |
50歳 | 36,180円 | 4,341,600円 |
50歳で加入して60歳まで10年間保険料を払う場合に比べて、20歳で加入して60歳まで40年間保険料を払い続ける方が保険料の支払総額では高くなりそうですが、実際には20歳で加入した方が30万円以上、支払総額が安くなります。
一見、若い時に加入した場合の方が保険料を長く支払う必要があるため、支払総額が大きくなりそうですが、若い時に加入していた方が支払総額でも安くなります。
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3.加入年齢が若い方が返戻率も良い
1回あたりの保険料、支払総額の両方で若い時に生命保険に加入した方が安くなることが確認できましたが、解約返戻率はどうでしょうか。
生命保険を解約した際に受け取るお金を解約返戻金といい、解約返戻率とは、それまで支払った保険料総額に対しての解約返戻金の割合を表したものです。下記の算式で計算できます。
解約返戻率(%) = 解約返戻金 ÷ 払込保険料累計 × 100
契約年齢 | 月額保険料 | 総払込保険料 | 60歳時解約返戻金 | 返戻率 |
---|---|---|---|---|
20歳 | 8,400円 | 4,032,000円 | 3,998,215円 | 99.1% |
30歳 | 11,540円 | 4,154,400円 | 3,998,215円 | 96.2% |
40歳 | 17,870円 | 4,288,800円 | 3,998,215円 | 93.2% |
50歳 | 36,180円 | 4,341,600円 | 3,998,215円 | 92.0% |
60歳で保険料の払込が満了した後の解約返戻金は全ての加入年齢で同じ推移になります。よって解約返戻率で比べても若い時に加入した方が良くなります。
4.加入する年齢によっては病気になるリスクがある
基本的なことですが生命保険は、健康でないと加入することが出来ません。健康に関しては、年齢が上がるごとに健康を害するリスクが上がっていくことは間違いありません。
持病があっても加入出来る引受基準緩和型や無選択型の生命保険もありますが、当然、保険料は健康な方より高くなりますし、加入して数年は保険金を減額される等のデメリットがあります。
『持病があっても入れる緩和型医療保険・生命保険とは?』
健康を害してから保険に加入したいと相談を受けることがあるのですが、病気になってからでは、選べる選択肢が非常に少なくなってしまいます。
健康な間は保険の必要性を感じないものですが、いつどのような病気になるかは、誰にも分らないものです。健康面で考えても生命保険は若くて健康なうちに加入しておく方が良いと言えるでしょう。
5.生命保険は何歳から入るべきか?
生命保険は〇歳から入るべきという決まった加入年齢はありません。生命保険が必要となる年齢は人それぞれなので、一概に加入すべき年齢を明示することはできません。
結婚した場合や子供が生まれた場合など、ご自身に万が一のことがあった際にお金を残すべき方ができたときが、生命保険に入るべきタイミングです。
今回の終身保険を事例とした検証では1歳でも若いうちに生命保険に加入した方が良いという結論に達します。結婚や子供の誕生などで保障が必要になったのであれば、1日でも早く健康なうちに必要な保障内容の生命保険に加入した方がいいのは間違いありません。
まとめ
生命保険は1歳でも若いうちに加入する方が得ですが、ご自身が亡くなっても保障を残すべき人が居ない間はムリ(ムダ)に生命保険に加入する必要はないでしょう。
例えば、独身でお金を残すべき方がいないのに大きな死亡保障の生命保険に加入する必要性は低いです。独身の間は、死亡保険に加入するとしても死後の整理資金(お葬式代)程度の保障額で充分です。
営業のセールストークに惑わされることなく、ご自身に保障が必要かどうかを確認し、生命保険への加入を検討して頂ければと思います。
最終更新日:2019年1月15日
No.73