生命保険や医療保険を検討する際に保障を充実されるという名目で色々な特約を勧められた経験がある方は多いと思います。特約で保障を充実させる場合のメリット・デメリットを考えたことがあるでしょうか?
保険加入を検討する際に、保障を特約でセットするか、単品でそれぞれ契約するかで、その後の見直し易さが変わってくる場合があります。
今回は、特約で保障をセットするとどのようなメリットがあり、逆にどのようなデメリットが発生するのかを解説します。
保険加入を検討する際に参考にして頂ければと思います。
1.主契約と特約
主契約とは、保険契約の基本となる保障部分です。一方、特約とは、主契約の保障を充実させるオプションの保障です。
主契約がメインの保障で、特約がオプションの保障となります。生命保険契約は主契約(メイン)と特約(オプション)の組み合わせで構成されています。
主契約としては、終身保険、定期保険、養老保険、医療保険などがあります。
特約としては、定期保険特約、三大疾病保障特約、女性疾病特約、先進医療特約、災害割増特約、傷害特約などがあります。
2.特約のみでの契約はできない
主契約のみでの契約は可能ですが、特約のみでの契約はできません。
例えば、下記契約事例の場合、終身保険が主契約で、入院の保障を充実させるため、医療保障が特約としてセットされています。
主契約:終身保険
特約:医療保障特約
上記契約とは逆に医療保険を主契約として終身保険を特約としてセットすることも可能です。
主契約:医療保険
特約:終身保険
下記契約例のように主契約に複数の特約をセットすることも可能です。
主契約:医療保険
特約:終身保険
特約:先進医療保障
主契約と特約の関係で注意すべきことは、特約として追加した保障は、主契約を解約してしまうと、同時に消滅してしまうという点です。
特約を解約して主契約の保障のみを残すことはできますが、主契約を解約して特約の保障のみを残すということはできません。
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3.特約のメリット
ここからは、特約で保障をセットする場合のメリットを確認していきたいと思います。
1)保険料が安い
それぞれバラバラに保障を準備(契約)するよりも特約として保障を追加した方が保険料が安い場合があります。
2)契約の管理がラク
バラバラに各種保障を準備(契約)するよりも、1契約の中に特約として各種保障を追加した方が管理がラクになります。
例えば、死亡保障、医療保障、がん保障をバラバラに準備すると、3契約が必要になりますが、死亡保障を主契約として、そこに医療保障、がん保障を特約として追加すれば、1契約にまとめることができます。
4.特約のデメリット
さて、ここからは、特約として保障を追加する場合のデメリットをご紹介したいと思います。
1)保障内容の見直しに支障が出る
特約で保障を追加すると、見直しがしにくくなるという大きなデメリットがあります。上記の通り、主契約を解約すると特約の保障も消滅してしまいます。
例えば、主契約部分の見直しで解約を検討する場合、主契約部分を解約すると特約の保障が消滅してしまうので、保障の見直しが難しくなってしまいます。
2)保険料の支払いが苦しい場合
保険料の支払いが苦しい場合、解約以外にも保障を残しつつ、保険料の支払いを止める払済保険や延長(定期)保険に変更するなどの方法があります。しかし、主契約部分を払済保険や延長保険に変更すると、特約が解約になってしまいます。
例えば、下記契約例の場合、主契約である終身保険を払済保険に変更すると、特約である医療保障は消滅してしまい、医療保障がなくなってしまいます。
【契約例】
主契約:終身保険
特約:医療保障特約
主契約の終身保険を払済保険に変更する際に医療保険に別途加入できればいいですが、年齢や健康状態の問題で医療保険に加入できない可能性もあります。
保険料の支払いが苦しい場合に活用できる払済保険や延長(定期)保険については、下記記事で詳細に解説していますので、ご参照ください。
『保険料の支払いが苦しい場合の4つの対処法』
5.先進医療の保障は特約のみ?
先進医療の保障が欲しいからという理由で医療保険に加入したいというご相談を頂くことがあります。先進医療保障は多くの方が医療保険やがん保険の特約としてセットされていると思います。
先進医療特約自体は、月100円程度の保険料でセットできますが、医療保険の保険料はどんなに安くても月数千円はします。
実は、先進医療の保障を月500円で準備できる方法があります。医療保険の必要性はあまり感じないが、先進医療の保障は欲しいという方には、ご要望に沿う商品でしょう。
『月500円の先進医療保険!?』
先進医療特約についての詳細は下記記事をご参照ください。
『先進医療特約について勘違いが多いポイント』
まとめ
主契約に特約をセットすることにより、保障を充実させる場合、メリットとデメリットの両面があります。よって、特約を検討する際には、その後の見直し易さなどを考慮する必要があります。
1つの契約に色々な保障を組み込むと、その後の見直しの際に支障が出る事例をいくつも見てきました。1つの契約に沢山の保障を入れず、原則、1つの契約に1つの保障というようにシンプルな契約がお勧めです。
例えば、1つの契約に死亡保障、医療保障、がん保障を詰め込むよりは、死亡保障で1契約、医療保障で1契約、がん保障で1契約とした方が、その後に保障内容を見直す際や、解約を検討する際に、対応し易いでしょう。
No.299