生命保険の設計書を見たときに自分の年齢が1歳違うと思ったことはないでしょうか?実は生命保険の契約年齢(契約時の被保険者の年齢)には保険年齢と満年齢の2つの方式があります。
保険年齢と満年齢は何が違うのでしょうか?なぜ、保険年齢と満年齢の2つの方式が存在するのでしょうか?今回は、保険年齢と満年齢の違いについて解説します。
1.保険年齢とは?満年齢との違いは?
保険年齢とは、保険会社が保険料を算出する際に使用する被保険者の年齢のことです。保険契約日時点で、満年齢の端数が6カ月以下の場合は切り捨て、6カ月を超える場合は切り上げて年齢を計算します。
つまり、保険年齢の場合は誕生日の半年前に年齢が1つ上がることになります。
例えば、契約日の満年齢が40歳7ヶ月の人の場合、保険年齢は7ヶ月が切り上げられて41歳となります。一方、満年齢が40歳5ヶ月の人の場合、保険年齢は40歳となります。
満年齢の場合には、40歳1ヶ月だろうが40歳11ヶ月だろうが、契約年齢は40歳となります。
なぜ、保険年齢方式が存在するのか?
以前は、生命保険の契約年齢は保険年齢方式が主流でしたが、一般の方には理解しにくいということで、現在では満年齢方式が主流になっています。
では、なぜ、一般の方には分かりにくい保険年齢方式が存在するのでしょうか?
保険は被保険者(保障の対象者)の方の、死亡や病気になるリスク度合いの高低を考慮して保険料を計算します。
例えば、厳密に計算すると、40歳の人の中でも40歳1か月の人と、40歳11か月の人では、後者の方が死亡したり病気になるリスクが高くなります。
よって、同じ年齢の方の中でも死亡や病気のリスクが異なるため、それを平均化するために、誕生日前後の6か月という範囲で年齢を計算しているのが保険年齢方式です。
2.保険年齢が使われている商品
さて、この保険年齢ですが、どの保険会社、どの保険商品でも使用されているわけではありません。満年齢を使用している保険会社もありますし、保険会社の中で商品によって保険年齢と満年齢を使い分けている会社もあります。
例えば、明治安田生命の場合は、下記のようになります。
~明治安田生命HPより抜粋~
「ベストスタイル」「ベストスタイルJr.」「メディカルスタイル F」「メディカルスタイル F Jr.」「3年間災害保障型逓増定期保険」「明治安田生命つみたて学資」は、契約日における被保険者(「明治安田生命つみたて学資」の場合は契約者および被保険者)の年齢を満年齢で計算し、1年未満の端数は切り捨てます。その他の保険は、契約日における被保険者の年齢を満年齢で計算し、1年未満の端数については、6ヵ月以下は切り捨て、6ヵ月超は切り上げます。たとえば、満40歳7ヵ月の場合は、41歳になります。
上記の通り、明治安田生命は、商品によって「保険年齢」と「満年齢」を使い分けています。明治安田生命、第一生命等の老舗の生保会社は保険年齢を使用しているところがあるようです。
一方、アフラックなどの外資系の保険会社や東京海上日動あんしん生命や損保ジャパン日本興亜ひまわり生命などの損保系生命保険会社は満年齢を使用しています。
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3.年齢が上がると保険料が上がる
生命保険は年齢が1歳上がると保険料が高くなります。ある保険会社の試算例は下記の通りです。
【保険料例】
商品:終身保険
保険金額:500万円
払込方法:終身払い
年齢:30歳
保険料:8,890円(月払)
年齢:31歳
保険料:9,085円(月払)
年齢が1歳上がるだけで同じ保障内容にもかかわらず、195円(月額)高くなります。1ヶ月で195円とはいえ、同じ保障内容なので、1円でも高くなるのはばかばかしい気がします。
仮に、上記の差で保険料を40年間払い続けると、93,600円にもなります。
生命保険への加入を決めているのであれば、年齢が上がる前に加入した方がいいことが上記の例で分かります。特に保険年齢方式の場合には、満年齢方式よりも早く年齢が上がりますので、注意が必要です。
まとめ
最近では、保険年齢という言葉を聞くこともほとんどなくなりましたが、生命保険契約の保険料を計算する際には「満年齢」と「保険年齢」の2つの考え方があることを知って頂き、生命保険の契約を検討している際は、年齢にお気を付け頂ければと思います。
保険年齢を採用している商品に加入する場合には、考えていた年齢よりも1歳上の年齢で加入することになる可能性もあるので、ご注意ください。
最終更新日:2019年7月25日
No.109