自動車保険の割引というと、等級をイメージする方が多いと思いますが、等級以外にも自動車保険には、割引制度があります。
自動車保険には、知っていなくても適用される割引と知らないと適用されない割引があります。自動車保険を契約される際に確認しておくとよい主な割引をご紹介します。
聞きなれない割引もあると思いますが、割引漏れが発生しないように確認する必要があります。
自動車保険にはどのような割引があるのかを知って頂き、上手に自動車保険の保険料節約につなげて頂ければと思います。
1.インターネット割引(新規・継続)
ネット割引(インターネット割引)とは、新規契約や継続契約(2年目以降の契約)の際にインターネット経由で自動車保険をで申し込むと適用される割引です。パソコンやスマホ経由で自動車保険を契約するだけで、割引が適用されるので、最も簡単な保険料節約方法の1つです。
新規ネット割引の取り扱いがある保険会社とない保険会社があります。残念ながら大手損保会社には同割引はありません。また、保険会社によって割引額が下記の通り異なります。
【主な損保会社のネット割引(新規)】
アクサダイレクト:最大20,000円
チューリッヒ:最大12,000円
ソニー損保:10,000円
三井ダイレクト:最大10,000円
イーデザイン損保:10,000円
継続ネット割引も大手損保会社にはありません。また、保険会社によって割引額が異なる点に注意が必要です。
尚、新規ネット割引と継続ネット割引の割引額が同じ保険会社と異なる保険会社があります。
【新規契約と継続契約の割引が同額の保険会社】
◆イーデザイン損保
新規:10,000円
継続:10,000円
◆セゾン自動車火災
新規:10,000円
継続:10,000円
【新規契約と継続契約の割引額が異なる保険会社】
◆ソニー損保
新規:10,000円
継続:2,000円
◆アクサダイレクト
新規:最大20,000円
継続:1,000円
◆チューリッヒ
新規:最大10,000円
継続:最大5,000円
◆三井ダイレクト
新規:最大10,000円
継続:3,000円
インターネット割引の詳細については下記記事をご参照ください。
『代理店型にはない!?通販型自動車保険のインターネット割引等』
2.自動ブレーキ(ASV)割引
以前は、ABSやエアバックが装備されている車は自動車保険が数%割引になっていました。安全装置割引と呼ばれているもので、下記のような割引がありました。
- ABS割引
- 横滑り防止装置割引
- エアバッグ割引
- デュアルエアバッグ割引
- 衝突安全ボディ割引
- 盗難防止装置割引(イモビライザー割引)
ABSやエアバック等の安全装置は普及が進み、ほとんどの車が標準装備となりました。安全装置の有無でリスク較差もほとんどみられなくなったため、ほぼ全ての割引が廃止されました。
現在、安全装置割引として存在するのは自動ブレーキ装置が搭載されている場合に適用される「ASV割引(自動ブレーキ割引)」です。
自家用普通乗用車、自家用小型乗用車については、発売後3年以内の車(型式)を対象として、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)あり車両に9%の割引が適用されます(発売から3年を経過した車は衝突被害軽減ブレーキ(AEB)装着によるリスク軽減効果が型式別料率クラスに反映されているため、割引の対象外となります)。
自家用軽四輪乗用車については、型式別料率クラスが導入されていないため、全型式を対象として衝突被害軽減ブレーキ(AEB)あり車両に9%の割引が適用されます。
(出典:あいおいニッセイ同和HP)
自動ブレーキ割引の詳細については、下記記事をご参照ください。
『自動車保険の安全装置割引は「自動ブレーキ割引(ASV割引)」のみ?』
型式別料率クラスについては、下記記事をご参照ください。
『車によって自動車保険の保険料が違う!?』
3.早期契約割引
早期申込割引とは、保険始期日より30~45日前に契約申込みを行った場合に適用される割引です。下記の通り、少し早目に契約するだけで、保険料が500円程度割引されます。
◆チューリッヒ
早期契約割引:500円
◆イーデザイン損保
早割:500円
◆セゾン自動車火災
おとなの継続お早め割引
50日前:600円
30日前:400円
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4.ゴールド免許割引
記名被保険者(車を主に使用される方)の免許の色がゴールドの場合、ゴールド免許割引が適用され、保険料が10%前後割引になります。割引率は保険会社や年齢条件によって異なる場合があります。
記名被保険者の年齢が21歳以上の場合のみ割引対象としている保険会社もあります。
また、東京海上日動のTAP等、商品によっては、ゴールド免許割引がない場合もありますので、ご注意ください。
ゴールド免許割引は、契約時に免許の色がブルーでも保険始期日までにゴールド免許になる予定の場合には、ゴールド免許割引を適用できる可能性があるなど、割引適用条件には少し注意が必要です。
ゴールド免許割引の適用条件の詳細については、下記記事をご参照ください。
『免許がゴールドからブルーになる場合の2つの対処法』
5.証券不発行割引
インターネットで新規または継続契約を手続きし、保険証券、異動・解約承認書および領収証が不要という場合、保険料が500円程度割り引きされます。
「e証券割引」や「証券不要割引」、「証券ペーパーレス割引」等、保険会社によって割引名が異なります。
契約内容は保険証券がなくてもインターネット経由で確認できます。
6.エコカー割引
契約の自動車が電気自動車、ハイブリッド自動車または圧縮天然ガス自動車(CNG車)等のエコカーの場合に適用される割引です。
契約期間の初日の属する月が自動車検査証などに記載の初度登録年月(または初度検査年月)から13か月以内等、割引される期間が新車割引のように限定されています。
割引される期間は保険会社によって異なる場合がありますので、ご注意ください。
7.新車割引
契約の自動車が自家用乗用車(普通・小型・軽四輪等)で、契約期間の初日の属する月が自動車検査証などに記載の初度登録年月(または初度検査年月)から25か月以内の場合に適用される割引です。
割引対象車種が『自家用普通乗用車、自家用小型乗用車、自家用軽四輪乗用車』の3車種の保険会社と、『自家用普通乗用車、自家用小型乗用車』の2車種である保険会社がありますので、注意が必要です。また、割引率は保険会社によって異なる場合があります。
新車割引については、下記記事で詳細に解説していますので、ご参照ください。
『自動車保険の新車割引がない!?』
8.紹介割引
既契約者から紹介されて自動車保険に加入すると1,000円~2,000円程度(保険会社によって異なる)の割引きを受けられる制度です。対象となる契約は、新規契約か他社からの乗り換え契約です。
更に紹介者にも500円程度の図書券やクオカードをプレゼントする保険会社もあります。
ポイントは紹介すると安くなるのではなく、紹介されると安くなるという点です。この節約法を利用するには既契約者の知り合いを探す必要があります。
『自動車保険の紹介キャンペーンで保険料が割引される?』
9.セカンドカー割引
複数の車を持つ方限定の割引です。
セカンドカー割引(複数所有新規割引)とは、2台目以降の車を新たに取得し、初めて自動車保険を契約する場合で所定の条件をすべて満たすときには、6等級ではなく7等級での契約となる割引です。
セカンドカー割引(複数所有新規割引)は、適用漏れが発生する可能性がある割引なので、割引が適用される条件を確認してください。注意すべきポイントは、以下の通りです。
- 1台目と2台目以降の保険会社が異なっていてもセカンドカー割引の適用が可能
- 1台目と2台目以降の車両所有者が異なっていてもセカンドカー割引適用の可能性がある
セカンドカー割引の適用条件などの詳細については、下記記事で詳細に解説していますので、ご参照ください。
『セカンドカー割引は、1台目の車が他社や家族の契約でも使える!?』
10.ノンフリート多数割引
この割引も複数の車を持つ方限定の割引です。
ノンフリート多数割引とは、自動車保険の付保台数9台以下の複数車両を1保険証券で契約することにより適用される割引です。ノンフリート多数割引を「ミニフリート」や「セミフリート」と呼んでいる保険会社もあります。
割引になる台数は2台以上ですが、割引率が保険会社によって異なります。例えば、東京海上日動は2台以上で割引(3%割引~6%割引)ですが、AIG損保は2台以上で割引(1%割引~7%割引)等です。
また、同割引はダイレクト(通販)型の保険会社にはないようです。
『自動車を2台以上持っている方は保険料節約のチャンス』
まとめ
上記の割引制度の中で、セカンドカー割引(複数所有新規割引)については、適用漏れが発生する可能性がある割引です。ご家族で2台目の車を購入する際には、セカンドカー割引(複数所有新規割引)の適用漏れがないようにご注意ください。
実は、各種割引の割引率、割引額等が保険会社によって一様ではありません!また、通販(ダイレクト)型の自動車保険にはあって、大手損保会社の自動車保険には無い割引や、その逆に大手損保会社の自動車保険にあって通販(ダイレクト)型の自動車保険には無い割引もあります。
よって、最終的には、無料一括見積もりサービスで、複数社の保険料を比較するのがお勧めです。
最終更新日:2018年11月2日
No.233